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【展望】第100回GⅠプレシデンテ・デ・ラ・レプブリカ



写真:INH https://twitter.com/OficialINH/status/1382112865579003904/photo/1

 4月18日、ベネズエラのラ・リンコナーダ競馬場でGⅠプレシデンテ・デ・ラ・レプブリカ(ダート2400m - 3歳以上)が行なわれる。プレシデンシアルとも呼ばれるこのレースは、日本語に訳すと『共和国大統領杯』となり、今年が記念すべき第100回目の開催となる。


 プレシデンテ・デ・ラ・レプブリカが創設されたのは1910年。ベネズエラ独立100周年を祝って開催された。中米競馬専門サイト"10 Furlongs"によると、これはベネズエラ最古のGⅠ競走であり、おそらくカリブ地域でも最古ではないかとのことである。第1回を勝利したのは、カラビネーロ(Carabinero)。当時の開催地は首都カラカスのエル・パライソ教区にあったエル・パライソ競馬場だった。優勝馬主には大統領からトロフィーを渡されたが、コロニアル(Colonial)が勝利した1995年を最後にその伝統は遠ざかっている。そのときの大統領はラファエル・カルデラ・ロドリゲスだった。


 何度かの中止を挟み、今年で第100回目を迎えた。最多勝利調教師はアントニオ・ビジャルディの9勝、最多勝利騎手はフアン・ビセンテ・トバールで、こちらも9勝である。マイオウンビジネス(My Own Business)とパパルーカス(Papá Lucas)の2頭が3連覇を達成しており、マイオウンビジネスが勝った2003年の2分26秒80がレース・レコードとなっている。ちなみに、2019年、20年とマジョラル(Mayoral)が連覇しており、3頭目の3連覇なるかと期待されたが、残念ながら今年は出走しない。


 出走馬でもっとも有力なのが、2020年に牡馬3冠を達成したラッフスター(Raffsttar)である。12月のGⅠシモン・ボリーバルでは2着に敗れて惜しくも4冠は逃したが、今年初戦を4馬身差で快勝しており、状態はまったく問題なさそうだ。3冠馬がプレシデンテ・デ・ラ・レプブリカを勝利するとなると、エルコルサリオ(El Corsario)、ウォータージェット(Water Jet)以来、史上3頭目という快挙である。不安があるとすれば、鞍上変更。これまで主戦を務めていたジーン・ロドリゲス騎手が、ドバイWCにも出走したヘスースチームへの騎乗でアメリカに渡ったため、シプリアーノ・ヒル騎手に乗り替わりとなる。


 2019年に中米・カリブ地域のダービーにあたるクラシコ・デル・カリベを制したザブラザースルー(The Brother Slew)もここに出走する。昨年は3馬身差の4着、17馬身差の6着、13馬身差の6着とまったく良いところがなかったが、クラシコ・デル・カリベでもそうだったように、人気がないときに一発を撃つ馬なのが怖い。クラシコ・デル・カリベの勝ち馬でプレシデンテ・デ・ラ・レプブリカも勝った馬は、過去にドンファビアン(Don Fabián)、マイオウンビジネス、ウォータージェットの3頭しかいない。


 その他の有力馬では、GⅠシモン・ボリーバルでラッフスターを破ったアピストス(Apistos)、同レース3着だったアイコン(Aikon)、GⅠ馬バルラシオ(Valrazio)が挙げられる。しかし、ラッフスターVSその他という構図と見ていいだろう。


【筆者予想】

◎ アイコン

〇 ラッフスター

▲ アピストス


■ 昨年のプレシデンテ・デ・ラ・レプブリカ


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木下 昂也(Koya Kinoshita)

Twitter : @koyakinoshita24

G-mail : kinoshita.koya1024@gmail.com

Koya Kinoshita

スペイン語通訳

スペイン競馬と中南米競馬を隅々まで紹介&徹底解説する『南米競馬情報局』の運営者です。

全国通訳案内士というスペイン語の国家資格を所持しています。

東京在住のインドア派。モスバーガーとミスタードーナツが好きです。

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