
木下 昂也(Koya Kinoshita)
アグネスゴールド産駒のジャネールモネイがアメリカに移籍
地球の裏側から、日本の競馬ファンをワクワクさせるニュースが飛びこんできた。
4月11日、ガヴェア競馬場で行なわれたブラジル(カリオカ)牝馬3冠競走の最終戦にあたるGⅠゼリア・ゴンザーガ・ペイショット・ヂ・カストロ(芝2400m)を優勝し、4年ぶり、無敗としては23年ぶりにブラジル牝馬3冠を達成したアグネスゴールド産駒のジャネールモネイ(Janelle Monae)が、アメリカのチャド・ブラウン厩舎に移籍することが決まった。ブラジル・スタッドブック、および、ブラジル・ジョッキークラブのHPで発表があった。
ジャネールモネイは2017年7月10日に、ブラジルのサンタ・ヒタ・ダ・セハ牧場で産まれた。父アグネスゴールド、母ジャストラッキー、その父スペンドアバックという血統の3歳牝馬だが、北半球では4歳換算となる。近親には、2009年にGⅠABCPCCを制したアンクルトム(Uncle Tom)や、GⅡ馬グランクリュ(Grand Cru)などがいる。2021年1月10日にガヴェア競馬場の芝1300mでデビュー勝ちをおさめると、GⅠエンヒキ・ポソーロ、GⅠヂアナ、GⅠゼリア・ゴンザーガ・ペイショット・ヂ・カストロと、4戦4勝で牝馬3冠競走を優勝した。
今回の移籍にあたって所有者の変更はない。馬主はサンタ・ヒタ・ダ・セハ牧場を運営するアフォンソ・ビュルラマキ氏のままである。出国は6月22日を予定しており、目的地はマイアミである。
ブラジル牝馬3冠を達成した馬は、ジャネールモネイを含めて6頭いる。1991年のインディアンクリス(Indian Chris)、1998年のヴィルジニー(Virginie)、2000年のビーフェアー(Be Fair)、2012年のオールドチューン(Old Tune)、2017年のノーリグレッツ(No Regrets)、そして2021年のジャネールモネイである。うち、ノーリグレッツを除く5頭がアメリカに移籍した。ビーフェアーはアメリカで勝ち星をあげることはできなかったが、インディアンクリスはGⅢコートネス・フェイガーHを、ヴィルジニーはGⅠビバリーヒルズHを、オールドチューンはGⅢエンデヴァーSとGⅢヒルズボロSを優勝した。つまり、ジャネールモネイの活躍は約束されていると言っても過言ではない。
※ヴィルジニーとビーフェアーは日本で繁殖入りした。
現在アメリカで競走生活を送っているアグネスゴールド産駒としては、2020年のGⅠシャドウェル・ターフ・マイルSを優勝したイバール(Ivar)がいる。また、ブラジル産馬で元アルゼンチン調教馬のインラヴ(In Love)や、ブラジル産馬で元ウルグアイ調教馬のヴェスパ(Vezpa)が勝ち星をあげている。アグネスゴールドはすでに種牡馬を引退したが、晩年に輩出した産駒たちが、南米のみならず北米でも躍動している。ジャネールモネイも続いてほしい。
■ デビュー戦
■ 1冠目エンヒキ・ポソーロ
■ 2冠目ヂアナ
■ 3冠目ゼリア・ゴンザーガ・ペイショット・ヂ・カストロ
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木下 昂也(Koya Kinoshita)
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