• 木下 昂也(Koya Kinoshita)

アルゼンチンで種付けシーズンに向けた種牡馬の配置転換が活発に


フルマスト(Full Mast) 写真:El Turf https://elturf.com/ejemplares-home?id_ejemplar=346353&tipo_vista=

 南半球の種付けシーズンが近づいている。南米でも新種牡馬を購入したり、シャトル契約を結んだりと準備が着実に進められている。たとえば、ブラジルはアウトスリップを購入し、ウルグアイはオーブ、ウィルテイクチャージ、ミッドシップマンを、チリはティズザローを導入した。アルゼンチンでは種牡馬の配置換えが活発になっている。


 2016年のアルゼンチン最優秀2歳牡馬および最優秀マイラーに選出されたイージングアロング産駒のルケン(Le Ken)は、昨シーズンはカルデナル牧場で供用されたが、今年はラ・ヌマンシア牧場で種付けを行なうことになった。同牧場には、ピュアプライズ産駒のウィニングプライズ(Winning Prize)、ドバウィ産駒のセーフティーチェック(Safety Check)がいる。


「うちの牧場にもう1頭優秀な種牡馬を迎えられたのは素晴らしいチャンスである。ルケンは競走成績も立派だし、血統背景も身体つきも申し分ない」と、ラ・ヌマンシア牧場を経営するフェルナンド・グティエレス氏は期待を寄せる。


 直線1000mのGⅠを5勝したアルゼンチンの名スプリンターでローマンルーラー産駒のレノボ(Lenovo)は、2016年の種牡馬入りから2020年までロス・イルランデセス牧場で供用されていたが、今年はサン・ロレンソ・デ・アレーコ牧場に移動する。同牧場ではイークワルストライプス産駒のイークワルタレント(Equal Talento)が繋養されている。2021年6月12日時点で種牡馬として145戦17勝、重賞勝ちなしと苦戦しているが、新天地で輝きを取り戻せるか。


 2014年にフランスのGⅠジャンリュックラガルデールを優勝し、アルゼンチンのチェナウト牧場に購入されたミズンマスト産駒のフルマスト(Full Mast)は、今年はグラン・ムニェーカ牧場で種牡馬として供用される。グラン・ムニェーカ牧場には、アルゼンチン初のフランケル繁殖牝馬となったギドゥー(Gidu)が繋養されている。フルマストは2017年に97頭、2018年も97頭、2019年に85頭と種付けされたアルゼンチン期待の種牡馬であり、今年デビューを迎えた初年度産駒からすでに6頭が勝ち上がった。アルゼンチンで4頭、チリで2頭である。


 エル・パライソ牧場では、2019年のGⅠフェリクス・デ・アルサガ・ウンスエーを優勝し、その年のアルゼンチン最優秀短距離馬に選出されたスプリングドム(Springdom)が、今シーズンから種牡馬入りする。同馬の父は昨年4月に亡くなったセビヘイロー(Sebi Halo)である。アルゼンチン通算1000勝以上をあげ、エル・パライソ牧場を長年支えた名種牡馬の後釜としての活躍が期待される。


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木下 昂也(Koya Kinoshita)

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