• 木下 昂也(Koya Kinoshita)

アルゼンチンで3冠競走が開幕:ポージャ・デ・ポトランカス/ポトリージョス


写真:Hipódromo de Palermo(@HipodromoArgPal) https://twitter.com/HipodromoArgPal/status/1434277937717645314

 9月4日、アルゼンチンのパレルモ競馬場でGⅠポージャ・デ・ポトランカス(ダ1600m - 3歳牝馬)とGⅠポージャ・デ・ポトリージョス(ダ1600m - 3歳)が行なわれた。前者はアルゼンチンの1000ギニーにあたり、後者は2000ギニーに相当する。


 ポージャ・デ・ポトランカスは8頭立てで開催された。当初は芝1600mのGⅠを圧勝したポルボラーダ(Polvorada)が1番人気での出走濃厚だったが、芝路線に専念するため回避することになった。そのため、2歳GⅠホルヘ・デ・アトゥーチャの勝ち馬カルタエンブルハーダ(Carta Embrujada)と、GⅠエストレージャス・ジュヴェナイル・フィリーズの勝ち馬リンダレベソルタ(Lindalevesolta)の一騎打ちとなった。


 レースを制したのは、フアン・ノリエガ騎乗の1番人気⑦カルタエンブルハーダだった。道中は前から3,4番手をリズム良く追走すると、そのすぐ外にいた⑧リンダレベソルタと一緒に4コーナーで進出して先頭を捉えた。しかし、直線に入ってからの伸びは明らかにカルタエンブルハーダが優勢で、終わってみれば2着に9 1/4馬身もの大差をつけて優勝した。重馬場の勝ちタイムは1分34秒42。リンダレベソルタはいつものような末脚が見られず、なんとか2着を確保するにとどまった。3着には逃げた④シウダーデラフーリア(Ciudad De La Furia)が粘った。


 カルタエンブルハーダは父ストームエンブルハード、母カルタガナドーラ、その父タピットという血統の3歳牝馬。ラ・レジェンダ・デ・アレーコ牧場の生産で、馬主もラ・レジェンダ。デビュー2連勝でGⅠホルヘ・デ・アトゥーチャを優勝したが、前走GⅠエストレージャス・ジュヴェナイル・フィリーズではリンダレベソルタの2着に敗れていた。通算成績は4戦3勝(GⅠ2勝)。


「馬はいつも新しいことを教えてくれる。今日、カルタエンブルハーダは走るのが好きな馬であることを教えてくれた。しかし、この馬は放っておくと太ってしまう。エストレージャスJFのときは調整ミスがあり、残り800mはいつもの彼女ではなかった。今回は違った。残り800m地点ですでに勝利を確信した。彼女は素晴らしい牝馬あり、今回の決定的な勝利でそれを証明した」と、管理するフアン・サルディビア調教師は述べた。


 また、鞍上を務めた名手フアン・ノリエガ騎手は「驚異的な勝ち方だった。我々が望んでいたのは、彼女が彼女らしく走ることだった。馬はある時は応えてくれるし、また別のときは応えてくれない。たとえば、メッシはあらゆる大会を優勝したが、試合に負けることもあったように」と語った。


 アルゼンチンのオークスにあたるGⅠセレクシオンは、10月9日にパレルモ競馬場のダート2000mで行なわれる。カルタエンブルハーダを逆転するのは非常に難しいだろうが、ラ・プラタ競馬場で圧倒的なパフォーマンスを披露しているアグアマキシマ(Agua Máxima)との対決が実現すれば面白そうだ。


■ GⅠポージャ・デ・ポトランカス



 ポージャ・デ・ポトリージョスは7頭立てと寂しい開催となった。シャイフレンド(Shy Friend)、ベスパシアーノ(Verspaciano)という芝のGⅠ馬が出走しなかったため、メンバーレベルは例年に比べて低いと言わざるをえない。そんな中、2歳GⅠを2勝したフィエルアミーゴ(Fiel Amigo)に注目が集まった。


 レースはウィリアム・ペレイラ騎乗の1番人気②イルウィン(Irwin)がハナを切る展開となった。2番手に④フィエルアミーゴが続き、3番手を⑤ホーリーリモウト(Holi Rimout)が追走した。団子状態は直線半ばまで続いたが、イルウィンが粘りに粘り、最内を抜けてきた3番人気のストアフロント(Storefront)に2馬身差をつける逃げ切り勝ちをおさめた。重馬場の勝ちタイムは1分35秒05。ポージャ・デ・ポトランカスより遅かった。3着にはビリ人気のホーリーリモウトが入り、フィエルアミーゴは4着に敗れた。


 イルウィンは父シークアゲイン、母イルウィーナ、その父オーペンという血統の3歳牡馬。半姉には日本の白老ファームで繋養されているイリーサ(Irisa)がいる。デビュー戦は2着だったが、未勝利馬として挑んだGⅡラウール・E・シュヴァリエ(芝1400m)で初勝利をあげた。GⅠエストレージャス・ジュヴェナイルではフィエルアミーゴの2着に敗れたが、前走同条件で行なわれたGⅡミゲル・カネーを快勝し、勢いに乗った状態でここに挑んでいた。通算成績は5戦3勝(重賞3勝)2着2回と連対を外していない。


「スタートから少し馬に違和感を感じていた。もしかしたら馬場が影響していたのかもしれない。ハナに行くというのはプランどおりだったが、動きの激しいレースだった。ほぼ全頭からプレッシャーを受けた。しかし、残り400mからゴールまでは非常に良い走りができた」と、鞍上のウィリアム・ペレイラ騎手は述べた。


 2冠目のGⅠジョッキークルブは、10月16日にサン・イシドロ競馬場の芝2000mで行なわれる。芝でもダートでも重賞を勝っていること、半姉イリーサが中距離で活躍したことから不安要素はないだろう。芝路線組との力関係次第だが、2冠制覇の可能性も充分にある。


■ GⅠポージャ・デ・ポトリージョス



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木下 昂也(Koya Kinoshita)

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