
木下 昂也(Koya Kinoshita)
アルゼンチンGⅠ3勝のシティーバンカーが疝痛のため16歳で死去

写真:Haras Don Alfredo https://harasdonalfredo.com/donalfredo/ejemplares-home?id_ejemplar=103401&tipo_vista=
アルゼンチンGⅠを3勝し、現役引退後はアルゼンチンとウルグアイで種牡馬として供用されていたシティーバンカー(City Banker)が、疝痛のため繋養先であるウルグアイのドン・アルフレード牧場で亡くなった。16歳だった。『トゥルフ・ディアリオ(Turf Diario)』が現地時間8月12日に報じた。
シティーバンカーは父ロード、母シランヂーニャ、その父イベロという血統で、2005年9月26日にサンタ・マリア・ヂ・アラーラス牧場で産まれた。近親には重賞5勝の牝馬シティーグラム(City Glam)や、2018年のGⅠホアキン・V・ゴンサーレスを優勝したシティーワンダー(City Wonder)がいる。
2008年5月4日に競走馬としてデビューすると、同年10月18日に行なわれたアルゼンチン3冠競走の第2戦目GⅠジョッキークルブを優勝した。翌年もサン・イシドロ競馬場で開かれたGⅠエストレージャス・クラシックを優勝し、引退レースとなった2010年2月6日のGⅠミゲル・アルフレード・イ・マルティネス・デ・オスで有終の美を飾った。通算成績は11戦5勝(重賞4勝、GⅠ3勝)。
現役引退後はアルゼンチンのラ・ミッション牧場で種牡馬入りした。2015年からは現役時代の所有者だったエル・グシー牧場に移った。アルゼンチンではこれまで150勝をあげ、2016年のGⅠヒルベルト・レレーナを優勝したコンヴィクション(Conviction)、重賞3勝のスターオブザシティー(Star Of The City)といった活躍馬を輩出した。2018年にウルグアイのドン・アルフレード牧場へ輸出され、翌年37頭のウルグアイ初年度産駒が誕生した。2020年も37頭の産駒が産まれ、今年も30頭前後が誕生予定である(2020年の種付け頭数は55頭)。まだまだ活躍を期待できた種牡馬だけに、今回の死は残念である。
日本にはシティーバンカーを父に持つ繁殖牝馬が2頭いる。1頭は前述のコンヴィクション。現在はノーザンファームで繋養されている。もう1頭は谷川牧場が購入した重賞2勝のムーンオブザシティー(Moon Of The City)である。現在はアメリカにおり、アメリカンファラオとの仔を受胎している。
■ 2008年 GⅠジョッキークルブ
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木下 昂也(Koya Kinoshita)
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