• 木下 昂也(Koya Kinoshita)

アルトゥーロ・ビダルが生産・所有のシーキングザダイヤ産駒がGⅠ制覇

 大谷翔平は笑うしかないほど異次元の二刀流を披露しているが、アルトゥーロ・ビダルの二刀流も驚くべきものである。


 6月25日、チリのサンティアゴ競馬場で行なわれたGⅠアルトゥーロ・リオン・ペーニャ(芝1600m - 2歳牝馬)は、ホルヘ・ゴンサーレス騎乗の3番人気ヴィータダマンマ(Vita Da Mamma)が優勝した。好スタートから2番手を確保すると、絶好の手応えで直線抜け出し、単勝1.4倍の圧倒的1番人気イナダマス(Y Nada Más)の猛追を1 3/4馬身振り切り、チリの2歳芝女王の座を手に入れた。不良馬場の勝ちタイムは1分37秒38。2着には3戦3勝と無敗でこのレースに挑んだコンスティテューション産駒のイナダマスが、そこから8 3/4馬身も開いた3着に、最低人気のルッキンアットラッキー産駒ネヌファールアスール(Nenufar Azul)が入った。


 ヴィータダマンマは父シーキングザダイヤ、母テスタルダーラ、その父ストゥーカという血統の2歳牝馬。2走前のGⅢ、前走のGⅡではイナダマスに先着を許したが、荒れた馬場を味方につけて逆転した。通算成績は4戦2勝。


 ヴィータダマンマを所有するのは『アルビダル』である。アルビダルは、イタリア・セリエAのインテルに所属するアルトゥーロ・ビダルが運営している。つまり、ビダルの所有馬である。また、同馬を生産した『イル・カンピオーネSPA牧場』というのも、アルトゥーロ・ビダルが運営する生産牧場である。イルカンピオーネとは、2015年にチリのダービーを優勝したビダルの所有馬の名前である。チリとアメリカに拠点を持つイルカンピオーネSPA牧場にとって、これが初めてのGⅠ勝利となった。ビダルは2014年10月4日に、シーキングザダイヤ産駒のソーノビアンコネーロ(Sono Bianco Nero)でGⅠを優勝している。チリの狂犬はシーキングザダイヤに頭が上がらないだろう。


 ユヴェントス、バイエルン、バルセロナ、インテルで国内リーグを優勝し、チリ代表でコパ・アメリカを優勝し、イルカンピオーネでダービー馬主となり、そしてヴィータダマンマでGⅠ馬の生産者となった。これが『世界一サッカーの上手いダービー馬主』アルトゥーロ・ビダルの二刀流である。


■ アルトゥーロ・リオン・ペーニャ


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木下 昂也(Koya Kinoshita)

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