• 木下 昂也(Koya Kinoshita)

サンパウロGⅠデーを展望

 5月14日から16日にかけて、ブラジルのシダーヂ・ジャルディン競馬場でGⅠデーが開催される。14日にはジュリアーノ・マルチンスとジョアン・セシーリオ・フェハスという2つの2歳GⅠが、15日には牝馬限定GⅠO.S.A.F.と1000mのGⅠA.B.C.P.C.C.が、そして16日には、GⅠデーのメインレースであり、サンパウロ地区最大のGⅠ競走であるGⅠサンパウロが行なわれる。


 ところで、1967年のGⅠサンパウロには日本からハマテツソが出走した。鞍上は中神輝一郎、調教師は松山吉三郎。結果は11着だった。これが日本調教馬が南米競馬に出走した唯一の事例である。中神騎手はレース後もブラジルに残って騎乗を続けた。ペドロ・ニッケル調教師が管理したパルダル(Pardal)、キオスコ(Quiosco)、ケイマ(Queima)など馬に騎乗した記録が残っている。


■ 現地の新聞にハマテツソの紹介が載った。

http://memoria.bn.br/DocReader/Hotpage/HotpageBN.aspx?bib=089842_07&pagfis=81740&url=http://memoria.bn.br/docreader

■ ブラジル時代の中神輝一郎騎手(右上)

写真:Turfe Brasil http://www.turfebrasil.not.br/salao_nobre_turfe2.htm


 サンパウロ(芝2400m)には14頭が出走を予定している。ジョージワシントン(George Washington)オリンピックインパクト(Olympic Impact)ヘッドオフィス(Head Office)ウィルマイヤーズ(Wil Myers)の4頭が有力馬として挙げられる。


 ジョージワシントンは父レダットーレ、母父ノウハイツという血統の5歳牡馬。昨年の同レースの覇者であることに加えて、2019年にはブラジル最大のGⅠ競走ブラジルも優勝した強豪である。通算成績は25戦7勝で、重賞は5勝。前走4月10日にガヴェア競馬場の芝2400mで行なわれたリステッド競走を勝利してからここに望んでおり、状態は申し分ないだろう。現ブラジル最強馬ピンパーズパラダイスが出走しないここは落とせない。


 そのジョージワシントンと何度も激闘を繰り広げているのが、同じくレダットーレ産駒の5歳牡馬オリンピックインパクトである。ここまで25戦して6勝、GⅠ勝ちこそないが重賞は3勝している。前走のリステッド競走ではジョージワシントンにアタマ差敗れたが、2走前のGⅢでは3/4馬身先着している。が、3走前のGⅡではジョージワシントンにクビ差およばなかった。僅差の戦いから分かるように、ジョージワシントンとオリンピックインパクトに能力の差はない。大外枠を引いたのが少々辛いか。


 2強の牙城を崩そうとしているのが、世界最多勝利騎手ジョルジ・ヒカルド騎乗の4歳牡馬ヘッドオフィスである。通算成績は13戦8勝。13戦いずれもシダーヂ・ジャルディン競馬場での出走である。ジョルジ・ヒカルドが騎乗するようになった2020年12月のGⅡから、今年2月のGⅢ、3月のGⅢと3連勝中。昨年のサンパウロでは9着と苦渋を舐めたが、勢いこのままにGⅠ制覇となるか。


 3歳馬の代表はコディアックカウボーイ産駒のウィルマイヤーズである。昨年10月に行なわれたサンパウロ4冠競走の2冠目GⅠジョッキークラブ・ヂ・サンパウロを制し、4月に行なわれた前哨戦のGⅢ競走も優勝した。前述の3頭と比べると格下感は否めないが、一流の古馬を相手にどこまで通用するか見物である。


【筆者予想】

◎ ジョージワシントン

〇 ヘッドオフィス

▲ オリンピックインパクト

△ ノブレスユー


■ 出馬表


■ 昨年のGⅠサンパウロ



 以下、GⅠデーの主要競走を簡単に紹介する。


 14日に行なわれる2歳GⅠジュリアーノ・マルチンス(芝1500m)は、4戦3勝のGⅡ馬ロマール(Lomar)が中心である。2勝馬のキープコジェール(Keep Koller)、新馬戦を3 1/4馬身差で快勝したアグネスゴールド産駒のドンセルジオ(Don Sergio)、同じく新馬戦を9 3/4馬身差で圧勝したインドゥビットグローリー(Indubit Glory)も面白い。


【筆者予想】

◎ ドンセルジオ

〇 ロマール

▲ キープコジェール

△ インドゥビットグローリー



 2歳牝馬限定のGⅠジョアン・セシーリオ・フェハス(芝1500m)は、3戦2勝のGⅢ馬オリンダドイグアス(Olinda Do Iguassu)と、そのオリンダドイグアスを前走GⅡでハナ差負かしたジャルイーズ(Jalouise)の一騎打ちの様相を呈している。デビュー戦でいきなりGⅡを走って5着だったハットトリック産駒のマカダミア(Macadamia)が、2戦目で上昇しそうな気配もある。


【筆者予想】

◎ジャルイーズ

〇オリンダドイグアス

▲マカダミア

△ヴェナトリックス



 GⅠA.B.C.P.C.C.(芝1000m)は大混戦。前哨戦を4馬身差で快勝したイタペルーナ(Itaperuna)、昨年このレースでクビ差2着だったナンタケット(Nantucket)、ガヴェア競馬場の1000mを3戦無敗の3歳馬アイクライハッピー(I Cry Happy)が注目を集めそうだ。GⅢ馬ジャックアップ(Jack Up)、GⅡ馬タシオ(Tácio)、2018年に2歳馬ながらGⅠマジョール・ズッコーを優勝したハビールボビー(Habile Bobby)も含め、誰が勝ってもおかしくない。


【筆者予想】

◎イタペルーナ

〇ナンタケット

▲ジャックアップ

△タシオ



 牝馬限定GⅠO.S.A.F.(芝2000m)は、エルキス(Helquis)で堅い。今年に入って連勝中であり、前走のGⅢでは2冠馬マイスキボニータ、古馬牝馬No.1のペリゴーザといった強豪を倒した。今回のメンバーはそのGⅢのときよりもレベルが落ちるため、ここはエルキスの独壇場である。2着も前哨戦のGⅡを快勝した3歳馬ムグルサ(Muguruza)で間違いないだろう。しかし、3着以下はシェリーヴィ(Cherie Vi)サックスショー(Saxshow)ハッピーパーティー(Happy Party)テクサーナ(Texxana)と混戦になりそうだ。イストリアダアルチ(História Da Arte)はGⅠ馬だが、2020年以降勝ちがないので見送り。


【筆者予想】

◎エルキス

〇ムグルサ

▲テクサーナ

△ハッピーパーティー



 GⅠサンパウロと同日に行なわれるGⅡプレシデンチ・ダ・ヘプブリカ(芝1600m)は、GⅠ馬オリンピックジョンスノー(Olympic Jhonsnow)と、重賞3勝馬オウロダセハ(Ouro Da Serra)のアグネスゴールド産駒対決になりそうだ。だが、5戦4勝GⅠ2勝の3歳馬ダッシングコート(Dashing Court)も忘れてはいけない。


【筆者予想】

◎オリンピックジョンスノー

〇カンペランダ

▲ダッシングコート

△オウロダセハ


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木下 昂也(Koya Kinoshita)

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