• 木下 昂也(Koya Kinoshita)

スペインで19歳の女性騎手が奇策を実らせ大金星


写真:Hipódromo San Sebastián(@HipodromoSnSn) https://twitter.com/HipodromoSnSn/status/1429509301194874882

 8月22日、スペインのサン・セバスティアン競馬場でカテゴリーB競走ゴビエルノ・バスコ(芝1600m - 3歳以上)が行なわれた。6月のクラウディオ・カルデル、10月のイスパニダーと並び、スペイン・マイル路線の中核を担うビッグレースである。


 昨年のスペイン最優秀マイラーであるアメデオモディグリアーニ(Amedeo Modigliani)が、状態が万全でないとして直前で回避し、レースは8頭立てで行なわれた。スタート直後、②シティーヘント(City Gent)に騎乗していたビクトリア・アロンソ騎手が奇策を仕掛けた。他の騎手が内の荒れた馬場と急な3コーナーを嫌って外に進路を取る一方、1頭だけ内ラチに沿って大逃げ打ったのである。最後の直線でも内にこだわると、猛追してきたジュリアン・グロージャン騎乗の⑦プリンスハムレット(Prince Hamlet)と内外離れて同時にゴールした。レース直後はプリンスハムレットの先着が濃厚と伝えられたが、写真判定の結果(※ページ下部に画像あり)、シティーヘントがわずか数センチの差で勝利をおさめた。勝ちタイムは1分36秒50。注目されたシメーラ(スペイン2000ギニー)の勝ち馬⑨ワッツアップ(What's Up)は3着に敗れた。


 ビクトリア・アロンソ騎手は7月22日にアマチュア騎手からプロ騎手に昇格したばかりの19歳。プロ騎手としてはこれが5勝目となった。グランプリ競走(Gren Premio)の優勝はもちろん初めて。女性騎手によるグランプリ制覇は、2020年にマドリードのサルスエラ競馬場で行なわれたカテゴリーA競走ドゥケ・デ・アルブルケルケをノライ(Noray)で制したニエベス・ガルシーア騎手以来、スペイン競馬史上2人目だが、サン・セバスティアン競馬場では史上初という快挙である。


「言葉が見当たらない。夢が叶った。この日を一生忘れないだろう。イオン・エラーレ調教師、彼のチーム、そして、偉大な馬であるシティーヘントに感謝した。本当にありがとう」と、アロンソ騎手は自身の Twitter で述べた。


 シティーヘントは父ホーリーローマンエンペラー、母シティーガール、その父イルーシヴシティーという血統の6歳騙馬。2017年7月22日にイギリスのニューベリー競馬場でデビューし、2018年4月15日のカテゴリーA競走シメーラからスペインに移籍した。スペインでの通算成績は25戦5勝。


 なお、写真判定の結果に納得できなかった2着プリンスハムレットのマウリシオ・デルシェール調教師の代理を務めたクリスティアン・デルシェール調教師は、採決委員に対して「お前たちの勝たせたい馬が勝つんだろう? そいつを勝たせるためならゴール板だって動かすんだろ?」などと暴言を吐き、300ユーロの罰金を課された。


■ レース映像


■ 写真判定



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木下 昂也(Koya Kinoshita)

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