• 木下 昂也(Koya Kinoshita)

パレルモ競馬場GⅠデーを展望

 現地時間5月1日、アルゼンチンのパレルモ競馬場でGⅠデーが開かれる。2歳GⅠが2つ、1000m直線GⅠが1つ、マイルGⅠが1つ、牝馬限定GⅠが1つ、2000mGⅠが1つと、1日で計6つものGⅠ競走が行なわれる。馬場はいずれもダートである。今回は各レースの有力馬と展望を紹介する。



ホルヘ・デ・アトゥーチャ(1500m - 2歳牝馬)


 5頭立てと少頭数の開催となった。しかも、5頭中4頭が1戦1勝馬であり、誰が勝ってもまったく不思議ではない。最有力とされる②クラーラデンジャー(Clara Danger)は、ここまで3戦3勝、重賞2勝と、この世代で頭1つ抜けている。鞍上はブライアン・エンリケ。対抗には①レティシアミーア(Leticia Mía)が挙げられるか。同じダート1500mで行なわれた4月3日のデビュー戦で、2着に14馬身差をつけて圧勝した。鞍上はアルタイル・ドミンゴス。だが、④ソパデリマ(Sopa De Lima)と⑤カルタエンブルハーダ(Carta Embrujada)も新馬戦を圧勝しており、実力の比較が非常に難しい。


【筆者予想】

◎ レティシアミーア

〇 カルタエンブルハーダ

▲ クラーラデンジャー




モンテビデオ(1500m - 2歳)


 ホルヘ・デ・アトゥーチャと違い、こちらは10頭立てとにぎわったが、混戦模様なのは変わらない。本来ならばウェイバ(Weiba)が1強として君臨するはずだったが、残念ながら骨折により戦線離脱を余儀なくされた。前走でパレルモ競馬場ダート1400mのGⅢペドロ・E・イ・マヌエル・A・クレスポを制した①アモイセニョール(Amo Y Señor)と、パレルモ競馬場ダート1200mのGⅡサンティアゴ・ルーロを勝った⑤ゴテオキー(Goteo Key)が有力視されている。しかし、前走6馬身差の圧勝で未勝利を脱出したオルテガ・パボン騎乗の③テルサーネ(Tersane)と、フアン・ノリエガ騎乗の④クアンタムステート(Quantum State)も侮れない。


【筆者予想】

◎ テルサーネ

〇 アモイセニョール

▲ クアンタムステート




クリアドーレス(2000m - 3歳以上牝馬)


 このレースの勝ち馬には、アメリカのBCディスタフの優先出走権が与えられる。本命はオルテガ・パボン騎乗の3歳牝馬①ブルーストライプ(Blue Stripe)である。今年初戦に同条件のリステッド競走を優勝すると、3月6日の前走ではGⅡアルトゥーロ・R・イ・アルトゥーロ・ブルリッチで重賞初制覇をあげた。4月のGⅠヒルベルト・レレーナを回避し、ここを目標に仕上げてきた。ブループライズの半妹にあたり、陣営はBCディスタフの姉妹制覇を狙っている。ブルーストライプに対抗できそうなのが、前走で芝1800mのGⅡパセアーナを勝利した①aシエンプレエンミメンテ(Siempre En Mi Mente)。しかし、この馬はブルーストライプと同馬主なので、陣営の戦略的に勝ちまではないだろう。ウィリアム・ペレイラ騎乗の④イデオクラティカ(Ideocrática)は、近6戦で5勝2着1回と絶好調だが、勝ち鞍は1600mまでと距離に不安が残る。⑩マミービーチ(Mumy Beach)は昨年アルゼンチンのオークスにあたるGⅠセレクシオンを勝利したが、その後は不振にあえいでいる。


【筆者予想】

◎ ブルーストライプ

〇 シルキーローズ

▲シエンプレエンミメンテ




デ・ラス・アメリカスーOSAF(1600m - 3歳以上)


 8頭立てと、古馬混合のGⅠ競走としては寂しい開催となった。本命視されるのは、ラウタロ・バルマセーダ騎乗の③パワーアップ(Power Up)。昨年はエストレージャス・マイル、パレルモとマイルGⅠを2勝した。続く2戦は8着、5着と敗れたが、前哨戦となるGⅡベニート・ビジャヌエバを優勝し、状態は万全である。対抗は2019年の最優秀マイル馬④トップワンスケープ(Top One Scape)。前走ベニート・ビジャヌエバでは、1年2ヶ月ぶりのレースながら3着に入り、今回は叩いた良化が期待できる。19戦して12勝、一度も3着を外していない重賞3勝馬⑧ストームディナミコ(Storm Dynamico)も侮れない。


【筆者予想】

◎ トップワンスケープ

〇 パワーアップ

▲ ストームディナミコ




レプブリカ・アルヘンティーナ(2000m - 3歳以上)


 今回のGⅠデーでもっとも注目を集めているのが、レプブリカ・アルヘンティーナ、日本語にすれば「アルゼンチン共和国杯」である。昨年の南米王者⑦テターセ(Tetaze)と、千直の絶対王者でありながら、前走で同条件のGⅠデ・オノールを優勝した現アルゼンチン最強馬⑥ストラテゴス(Strategos)の対決が実現した。アルゼンチン最強馬決定戦と言っても過言ではない。なお、テターセはこれまでグスタボ・カルベンテが騎乗していたが、契約の都合でウィリアム・ペレイラに、ストラテゴスはこれまでフランシスコ・ゴンサルヴェスが騎乗してたが、落馬による鎖骨骨折でオルテガ・パボンにそれぞれ乗り替わりとなる。気になるのが、GⅠ馬③エモーションオーペン(Emotion Orpen)と、③aワンサムライ(One Samurai)のフィルマメント勢である。ワンサムライはエモーションオーペンのラビットとしての出走となり、2強に楽をさせないペースを作るだろう。とりわけ、逃げの手が予想されるストラテゴスの陣営が、ワンサムライの出方を懸念している。とはいえ、2強で決着しないことなどありえるだろうか?


【筆者予想】

◎ テターセ

〇 ストラテゴス

▲ エンドモンド




シウダー・デ・ブエノスアイレス(1000 - 3歳以上)


 パレルモ競馬場GⅠデーの大トリを飾るのが、15頭立てとなった1000m直線のGⅠシウダー・デ・ブエノスアイレスである。実績馬が多数おり、どの馬にも勝機充分の大混戦だが、同条件のGⅢを3連勝中で、ここ13戦連対を外していない絶好調の牝馬⑪ミスティースプリング(Misty Spring)が本命だろう。対抗には、同じく牝馬の⑫クイーンリズ(Queen Liz)を挙げたい。1000m直線の重賞を4勝しており、GⅠでも好走歴がある。以下、2019年のGⅠエストレージャス・マイルの勝ち馬⑤エクスプレッシヴスマート(Expressive Smart)、2020年のGⅠエストレージャス・スプリントで1着入線したが、禁止薬物の検出により失格となった⑨ラレリキア(La Reliquia)、昨年のGⅠマイプーでストラテゴスの2着となり、前哨戦のGⅢイルランダを制した⑭