
木下 昂也(Koya Kinoshita)
ベネズエラの英雄リマーカブルニューズが安楽死
写真:Hipismo Mundial
ベネズエラ競馬メディア『イピスモ・ムンディアル(Hipismo Mundial)』によると、北米重賞を4勝したベネズエラ産馬リマーカブルニューズ(Remarkable News)が、繋養先のルイジアナ牧場で左後肢を負傷し、安楽死処分となった。19歳だった。
リマーカブルニューズは、2002年3月17日にベネズエラのルイジアナ牧場で産まれた。父はチャイム、母はベネズエラ産まれのアンリーチャブル、母父はアルハジラスという血統。生産者であり馬主のホリー・デ・リンコン氏の判断によって1歳のときにアメリカに送られ、アンヘル・ペンナ・ジュニア調教師の管理馬となった。
2005年8月15日にサラトガ競馬場でデビューして2着に敗れたが、9月22日にベルモントパーク競馬場で初勝利をあげた。4歳になると、GⅢコノート・カップS、GⅡフォースターデイヴHを優勝。10月7日にキーンランド競馬場で行なわれたGⅠシャドウェル・ターフ・マイルSでオージールールズの2着に入り、119というレーティングを与えられた。5歳なってもGⅡディキシーSとGⅡファイアークラッカーSを制し、10月27日のBCマイル7着を最後に現役を引退した。通算成績は17戦9勝(重賞4勝)、獲得賞金額は82万ドルにもおよぶ。
■ 競走成績

■ 2007年GⅡファイアークラッカーS
引退後はオーストラリアで種牡馬になる予定だった。しかし、ベネズエラにいたときに馬ピロプラズマ病に感染していた痕跡が血液検査で見つかり、渡豪は中止となった。リマーカブルニューズはベネズエラに戻った。首都カラカスにあるラ・リンコナーダ競馬場では、英雄の帰還を祝う式典が行なわれ、ファンから惜しみない拍手が贈られた。産まれ故郷のルイジアナ牧場で種牡馬入りしたが、目立った活躍馬を輩出することはできなかった。
リマーカブルニューズは、アメリカでもっとも活躍したベネズエラ産馬として記憶されている。ベネズエラでは一度も走ることはなかったが、自国が産んだスターホースの死に、ベネズエラ競馬界が深い悲しみに包まれている。
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木下 昂也(Koya Kinoshita)
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