
木下 昂也(Koya Kinoshita)
中米ダービーの出走馬と枠順が決まる

写真:Conf. Hípica Caribe(@ConfCaribe) https://twitter.com/ConfCaribe/status/1466069944085487627
12月5日にプエルトリコのカマレーロ競馬場で行なわれるクラシコ・デル・カリベ(ダ1800m - 3歳)の出走馬と枠順が決まった。このレースは中米各国が代表馬を選出して争う『中米ダービー』であり、中米・カリブ海地域で最大の競走となっている。2017年から2019年はアメリカのガルフストリームパーク競馬場で開催され、昨年はプエルトリコのカマレーロ競馬場で開催予定だったが、改修工事の遅れと新型コロナウイルスの蔓延により中止となった。
今年はドミニカ、ベネズエラ、メキシコ、パナマ、エクアドル、プエルトリコから13頭が出走する。プエルトリコ3冠を達成したコンソラドール(Consolador)は左前脚の腱を痛めて出走回避となったが、各国の実力馬が出揃った。
もっとも注目を集めるのは、2番に入ったベネズエラ代表のサンドバレーラ(Sandovalera)である。ここまで9戦9勝、重賞8連勝中。ベネズエラ牝馬3冠競走を圧倒的な強さで勝利しただけでなく、牡馬2冠目のGⅠクリーア・ナシオナル(ダ2000m - 3歳)に出走して牡馬を撃破。前走GⅠクルス・デ・アビラ(ダ1900m - 3歳以上牝馬)では古馬牝馬を相手に10馬身差の圧勝をおさめた。好枠、斤量50kg、鞍上エミサエル・ハラミージョ騎手という好条件を得たことで、中米制覇はほぼ間違いないだろう。
やはりベネズエラ勢は強い。サンドバレーラに対抗できそうなのは、同じくベネズエラ代表のパーセキューテッド(Persecuted)だろう。GⅠクリーア・ナシオナルではサンドバレーラから5馬身離れたの3着に敗れたが、ベネズエラの2000ギニーにあたるGⅠホセ・アントニオ・パエス(ダ1600m - 3歳)を勝利し、ダービーにあたるGⅠレプブリカ・ボリバリアーナ・デ・ベネスエラ(ダ2400m - 3歳)で2着、前走GⅠインビタシオナル・デル・カリベ(ダ1600m - 3歳以上)でも古馬を相手に2着と健闘した実力の持ち主である。名手ホセ・オルティス騎手に導かれ、大舞台で逆転を狙う。
ベネズエラ以外の勢力からは3頭の有力馬が挙げられる。ドミニカ代表のインヘニエロコジャード(Ing. Collado)、プエルトリコ代表のインパラブレ(Imparable)、同じくプエルトリコ代表のタンボレーロ(Tamborero)である。
インヘニエロコジャードは、ドミニカ3冠競走の最終戦GⅠフアン・パブロ・ドゥアルテ(ダ2000m - 3歳)の勝ち馬である。ここまで6戦6勝と無敗。9月25日の前走でも圧巻の逃走劇を披露し、もはやドミニカ国内に敵はいない。アメリカ通算850勝のドミニカ人騎手イノエル・ベアトが跨る。
プエルトリコ3冠競走でいずれもコンソラドールの2着に敗れたインパラブレにも注目したい。10戦して勝ち星は2つしかないが、残り8戦はすべて2着と連対を外していない。現在7戦連続2着と堅実な走りをしており、地の利を活かせれば強豪相手に上位に食いこむことは可能である。
そのインパラブレに2戦続けて6馬身の差をつけて快勝しているのがタンボレーロである。プエルトリコ3冠競走には縁がなかったが、通算成績は7戦6勝、今年に入って5連勝中と好調を維持している。なお、インパラブレもタンボレーロも、所有者は無念の回避となった3冠馬コンソラドールと同じソナータ・ステーブルである。輸送の負担のない地元開催で、2007年以来となるプエルトリコ代表馬の優勝なるか。
【筆者予想】
◎ サンドバレーラ
〇 ホセエンリケ
▲ タンボレーロ
△ インヘニエロコジャード
■ GⅠクルス・デ・アビラ(サンドバレーラ)
■ GⅠホセ・アントニオ・パエス(パーセキューテッド)
■ GⅠフアン・パブロ・ドゥアルテ(インヘニエロコジャード)
■ GⅡアントニオ・モンヒル(タンボレーロ)
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木下 昂也(Koya Kinoshita)
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