• 木下 昂也(Koya Kinoshita)

厨二病を患っていた頃に各キャラの戦闘力を必死こいて覚えた戦闘力5奴がドラゴンボール馬名を調べてみた

 まずはこちらの動画を見てほしい。これはスペインのバルセロナで開かれたマンガ・イベントにおける影山ヒロノブのライヴである。歌詞が日本語であるにもかかわらず、スペイン人たちは大合唱・大熱狂している。この瞬間、影山ヒロノブは間違いなく界王神を超えた。


 続いてこちらは、『ドラゴンボール超』の最終回を見るアルゼンチン人たちの様子をおさめた動画である。まるで日本の応援上映のようである。動画の4分20秒あたりでファンたちが「ディエ、シ、シエテ! ディエ、シ、シエテ!」とコールしているが、「ディエシシエテ」はスペイン語で数字の「17」を意味し、人造人間17号のスペイン語名である。


 この2つの映像を見るだけで、スペイン語圏におけるドラゴンボールの知名度の高さ、人気の強さがうかがえる。人気があるということは、つまりである。ドラゴンボールの登場人物の名前が馬の名前として使われているのではないかという推測ができる。そこで今回は、中南米に実在したドラゴンボール馬名を調べてみた。


 ドラゴンボール(Dragon Ball)という名の馬は2頭いる。1頭は2001年にアルゼンチンで産まれ、もう1頭は2008年にブラジルで産まれた。アルゼンチンのドラゴンボールは4戦0勝で引退し、ブラジルのドラゴンボールは競走馬としてデビューしていない。また、ドラゴンボールは現地で、ボラ・デ・ドラゴン(Bola de Dragón)やエスフェラ・デ・ドラゴン(Esfera del Dragón)と訳されることもあるが、いずれも馬名には使われていない。


◆ アルゼンチンのドラゴンボール


◆ ブラジルのドラゴンボール



 鳥山明(Toriyama Akira)、鳥山(Toriyama)、アキラ・トリヤマ(Akira Toriyama)という馬名は存在しない。しかし、アキラ(Akira)という馬がアルゼンチンに2頭、チリに1頭、ペルーに1頭いる。しかし、鳥山明から取ったのかどうかは不明である。以前、ポケモン馬名を調べているときにニンテンドーとニンテンドーインクという馬名を見つけたが、集英社、東映アニメーション、フジテレビに繋がるような名前に加えて、Cha-La Head-Cha-La や WE GOTTA POWER のような主題歌に関係する馬名も見当たらなかった。


◆ ペルーのアキラは2018年産の2歳馬なのでこれからデビューする。



 ここからは登場人物の馬名について紹介する。しかし、初代から超まで含めると膨大な数のキャラクターがいる。脇役・チョイ役まで調べるとなると原稿料が欲しいくらいだ。というわけで、誠に勝手ながら『ドラゴンボールZ』の主要キャラに限定させてもらった。今回調べた登場人物一覧は以下のとおりである。この中から、実在する馬だけを記載した。言い換えれば、記載のない馬は存在しないということである。留意してほしいのが、中南米のみの調査であること。たとえば、ベジータはオーストラリアに、ビーデルはアイルランドにいるが、中南米ではないのでカウントしていない。また、ドラゴンボールの掲載は1984年からなので、1984年以降産まれの馬でないとドラゴンボール馬とは認定できない。


☆ 調べた名前一覧

ウーブ、ウーロン、ウミガメ、カリン、ギニュー、キビト、キュイ、クウラ、クリリン、グルド、グレゴリー、ゴジータ、ゴテンクス、コルド、ザーボン、ジース、ジャネンバ、シュウ、スポポビッチ、セル、セル・ジュニア、ダーブラ、タピオン、チチ、デンデ、ドクター・ゲロ、ドドリア、トランクス、ナッパ、ネイル、バータ、バーダック、パイクーハン、バビディ、バブルス、バリー・カーン、パン、ビーデル、ピッコロ(マジュニア)、ビビディ、ピラフ、ヒルデガーン、プイプイ、プーアル、ブラ、フリーザ、ブリーフ、ブルマ、ブロリー、ベジータ、ベジット、ボージャック、ポルンガ、マーロン、マイ、ミスター・サタン、ミスター・ポポ、ミノシア、ヤコン、ヤジロベー、ヤムー、ヤムチャ、ラディッツ、ランチ、リクーム、界王、界王神、亀仙人(武天老師)、牛魔王、最長老、栽培マン、神、神龍、人造人間16号、人造人間17号、人造人間18号、占いババ、孫悟空、孫悟天、孫悟飯、鶴仙人、天津飯、桃白白、武泰斗、魔人ブウ、閻魔大王、餃子



 ブラジルにサンゴクウ(San Goku)というパクリ中華キャラみたいな馬名はいるものの、孫悟空という名前の馬は存在しない。しかし、ゴクウ(Goku)と名づけられた馬はペルーに1頭、ブラジルに1頭、そしてメキシコに1頭いる。ブラジルのゴクウは9戦0勝と未勝利馬ながら、2005年のGⅠクルゼイロ・ド・スル(ブラジル・ダービー)に出走した。これまでカカロットという馬はおそらく世界で存在しなかった。だが2019年、ついにアルゼンチンでカカロット(Kakarotto)が産声をあげた。同日にブロリーという馬が産まれていれば面白いのだが、さすがにそんな偶然があるはずもなく、ブロリーという名の馬自体いない。


◆ ブラジルのゴクウ


◆ アルゼンチンのカカロット



 チリとペルーに1頭ずつチチ(Chichi)という馬がいた。しかし、ペルーのチチは牡馬である。鬼嫁イメージの弊害だろうか。チリのチチは33戦2勝という成績を残している。ゴハン(Gohan)は1999年にペルーで誕生したが、競走馬としてデビューしていない。きっと争い事が嫌いで、学者になる道を選んだのだろう。ゴテン(Goten)という馬はブラジルに1頭だけいるが、産まれたのが1984年なので、時期的にドラゴンボール馬名と言うことはできな


◆ チリのチチ。国名コードが CHI なので CHI が3つ並ぶ。


◆ ペルーのゴハン



ピッコロ(Piccolo)はナメック語で「違う世界」という意味に加え、イタリア語で「小さい」という形容詞である。また楽器の名前でもあるため、ピッコロと名づけられた馬は世界中に数多くいる。イギリスではGⅠ馬となったピッコロさんがいるそうだ。コイツはきっと同化したに違いない。南米では1984年にベネズエラで、1993年にブラジルで、2017年にウルグアイでピッコロという馬が産まれている。ウルグアイのピッコロは2020年6月20日にデビューし、現在まで7戦して2勝をあげている。世界征服に向けてウォーミングアップ中か。ちなみに、マジュニア(Ma Junior)という馬はいない。


◆ ウルグアイのピッコロ



 ブルマ(Bulma)は2008年にペルーで産まれたブルマと、2017年にアルゼンチンで産まれたブルマがいる。前者は12戦0勝、後者は4戦0勝である。トランクス(Trunks)は2000年にベネズエラで産まれている。クリリン(Krilin)は中南米には存在しないが、2007年にスペインで産まれた牡馬がクリリンと名づけられている。4戦3勝2着1回となかなかの活躍をした。ウーロン(Oolong)はジャマイカに1頭いるが、残念ながら4戦0勝と未勝利である。


◆ ペルーのブルマ


◆ スペインのクリリン


◆ ジャマイカのウーロン



 カリン様はスペイン語でマエストロ・カリンという。マエストロつきのカリンはいないが、カリン(Karin)という馬は1987年にウルグアイで産まれている。また、アルゼンチンでも2018年にカリンと名づけられた馬がいたが、後にメリールスと改名されてしまった。猫は1匹でいい。カリン様は1匹で十分だ。


◆ アルゼンチンのカリンは後に改名された。



 カミ(Kami)はアルゼンチンに2頭いる。1頭の馬から善と悪で別れたのかもしれない。1頭目は1988年産まれの牡馬で、2戦0勝で引退している。2頭目は2010年産まれ牝馬。こちらは出走すらしていない。神の上には界王様がいるわけだが、カイオー(Kaio)という馬が1984年にチリで産まれている。しかし、時期的にドラゴンボールとの関連は怪しく、界王ではなくカイオという人名と見たほうがいいだろう。界王様のペットであるバブルス(Bubbles)は1986年にアルゼンチンで、グレゴリー(Gregory)は1985年にベネズエラで、1993年にアルゼンチンで誕生している。界王様の上にはさらに界王神がいるが、シンもキビトも含めて馬名に使われていないのが残念である。


◆ カイオー、バブルス、グレゴリーという界王星の住人たち



 驚くべきことに、ドラゴンボールを7つ集めた人間がいるようだ。最近になってシェンロン(Shenlong)が召喚された。2019年にアルゼンチンの名門エル・パライソ牧場で産まれた牡馬がシェンロンと名づけられたのである。馬主の願いはまさかギャルのパンティではあるまい。神龍はスペイン語でディオス・ドラゴンやドラゴン・ディビーノとも呼ばれるが、いずれも馬名にはない。また、ポルンガという馬も現時点では存在しないが、この調子なら時間の問題か。


◆ アルゼンチンのシェンロン



 ピラフ(Pilaf)は1992年にアルゼンチンで、シュウ(Shu)は2005年にチリで、マイ(Mai)は1988年にベネズエラで産まれている。だが、いずれも人名としてありそうな名前なので、必ずしもドラゴンボールとの繋がりとは言えない。しかし、2017年にアルゼンチンでとんでもない名前の馬が爆誕した。こちらは100%ドラゴンボール由来である。その馬の名前をタオパイパイ(Tao Pai Pai)という。気になる成績はというと、残念ながら出走していない。さぁ、サイボーグ化の準備だ。


◆ アルゼンチンのピラフとタオパイパイ




 サイヤもサイヤ人もいない。サイバイマンもナッパもおらず、前述のとおりベジータはオーストラリアにはいるものの、中南米にはいないようである。南米に唯一存在するサイヤ人は、2007年にアルゼンチンで産まれたラディッツ(Raditz)である。27戦3勝と3つも星を征服し、下級戦士のわりにまずまずの結果を残した。これにはベジータ王もニッコリだろう。


◆ アルゼンチンのラディッツ



 ナメックという名の馬はさすがにいなかったが、何頭かナメック星人の生き残りを発見した。ネイル(Nail)は2002年にブラジルで産まれた。しかし、4戦0勝で引退しており、最強のナメック星人というのは嘘だったようだ。2004年にアルゼンチンで産まれたデンデ(Dende)も5戦して未勝利だったが、こちらは戦闘タイプではないので仕方ない。


◆ ブラジルのネイル


◆ アルゼンチンのデンデ



 フリーザ(Freezer)は1999年にアルゼンチンに着陸した。通算成績は26戦3勝。戦闘力53万? 笑えよフリーザ。ギニュー特戦隊はリクーム(Recoome)グルド(Gurdo)だけというやや寂しい編成であり、これではポーズも美しくない。しかし、リクームの競走成績には目を見張るものがある。2015年産まれのこの牡馬は、2021年2月現在も現役の競走馬で、通算18戦11勝、このところダート短距離を中心に8連勝と絶好調である。重賞勝ちをしてリクーム特戦隊への改名、さらには宇宙の帝王を目指したいところだ。


◆ アルゼンチンのフリーザとリクーム




 ドクター・ゲロという名の馬はいないが、1998年にブラジルで産まれた牡馬にゲロ(Gero)という名前がつけられた。だが、ポルトガル語の発音ではジェロとなるため、おそらくドクター・ゲロとは無関係だろう。通算成績は15戦2勝である。


 人造人間のことをスペイン語ではアンドロイデ(Androide)という。しかし、人造人間17号や18号のことは数字で「ディエシシエテ」、「ディエシオチョ」と呼ぶのが一般的である。ディエシシエテはいないが、ディエシオチョ(Dieciocho)はチリに1頭いる。1991年から1997年まで計138戦して11勝と、永久式エネルギーのタフネスぶりを見せてくれた。しかし、この馬は牡馬だし、母馬がディエシオチェーラ(18歳)という馬名なので、ドラゴンボールの人造人間18号とはまったく関係ないだろう。


 セル(Cell)は英語で細胞という意味だが、意外にもセルという名前の馬はいない。中南米に限った話ではなく、世界的に見ても1,2頭しかいないらしい。念のために言っておこう。セルはいないが、アナゴならチリにいる。


◆ ブラジルのゲロ


◆ チリのディエシオチョ=18号


◆ セルはいないが、声優若本規夫さん繋がりでアナゴさんならいる。



 プイプイ(Pui Pui)はオーストラリアに1頭いるらしいが、南米にはいない。魔獣ヤコン(Yakon)は2012年にブラジルで産まれているが、25戦1勝と冴えなかった。ブラジルの陽射しがあまりにも強すぎて破裂してしまったのだろう。魔人ブウ(Majin Boo)という名はいないが、ブウ(Boo)ならブラジルに1頭、バルバドスに1頭いた。ブラジルのブウは10戦3勝、重賞でも掲示板に載るなどしたが、星を破壊できるほどのパワーと狂気はなかったようだ。


 ブウ編のキャラクターに関してもっとも注目したいのがゴテンクス(Gotenks)である。ゴテンクスは2014年に、父T. H. アプルーヴァルと母ベラトリックスのフュージョンによって誕生した牡馬である。通算成績は35戦5勝とまずまずだが、スーパーサイヤ人3には変身できなかった。精神と時の部屋で真面目に修業していれば......。余談だが、メタモル星人という名の馬はいない。


◆ ブラジルのブウとゴテンクス




 ドラゴンボールZではないが、ここまできたら映画版にも少し手を伸ばしたくなった。クウラ(Cooler)は2001年にチリで産まれているが、英語 cool の比較級とみなしたほうがいいだろう。ボージャック(Bojack)という馬はいる。だが、ニュージーランドとトルコという別の銀河なのでここではカウントしない。また、勇者タピオン(Tapion)もアルゼンチンに1頭いるのだが、1972年産まれなのでドラゴンボールとは無関係である。


 ジャネンバと名づけられた馬はいない。しかし、ゴジータ(Gogeta)という牝馬が2011年にアルゼンチンで産まれた。父イージングアロングと母ゴーゲッテムガールのフュージョンである。6戦1勝と競走馬としてはイマイチだったが、現在は繁殖牝馬となって5頭の母である。


◆ アルゼンチンのゴジータ



 最後に道具系の調査結果を載せて、この長々とした記事を終わりたい。ドラゴンレーダー(Dragon Radar, Radar del dragon)、如意棒(Nyoibo, Baculo magico)、筋斗雲(Kintoun, Nube Kinto)、超神水(Choshinsui, Super agua divina)、仙豆(Senzu)、ゼットソード(Espalda Z)、カッチン鋼(Acero Kacchin)、いずれも馬名には使われていない。しかし、スカウター(Scouter)はどうやらニュージーランドにいるらしい。


 本当はもっと調査するべきなのだろうが、いかんせんキャラクターが多すぎる。ドラゴンボール馬名 in 中南米 はこれで終わりにしたい。結構な数を調べて、筆者は精根を使い果たした。どうか生き返らせてほしい。まだ1度目だ。



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木下 昂也(Koya Kinoshita)

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