• 木下 昂也(Koya Kinoshita)

悲劇から歓喜へ。コンソラドールがプエルトリコ競馬史上14頭目の3冠馬に


コンソラドール(Consolador) 写真:Diez Furlongs https://diezfurlongs.com/2021/07/03/completa-la-triple-corona-consolador-pur/

 7月3日、プエルトリコのカマレーロ競馬場で3冠競走の最終戦となるGⅠサン・フアン(ダ1900m - 3歳)が行なわれた。レースは、スタート直後から先頭に立ったエドウィン・カストロ騎乗の④コンソラドール(Consolador)が、道中も軽快に逃げ、最後の直線も脚色衰えずに逃げ切り勝ちをおさめた。勝ちタイムは2分2秒12。これで5月2日のGⅠデルビー・プエルトリケーニョ、6月6日のGⅠコパ・ゴベルナドールを加えて、プエルトリコ3冠を達成した。2019年のルドゥー(Ledoux)以来、2年ぶり14頭目の3冠馬である。


 2着には、向こう正面でポジションを押し上げた①インパラブレ(Imparable)が入った。ホッケンハイム産駒の同馬は、3冠競走いずれも2着と悔しい結果となったが、1冠目、2冠目ともにコンソラドールから10 1/2馬身もの大差をつけられての完敗であり、1 1/4馬身まで差を縮めた今回は大健闘と言っていい。


 コンソラドールは父コンソール、母ティプシートンヤ、その父アワーエンブレムという血統の3歳牡馬。昨年10月12日にデビューし、通算成績は6戦4勝。鞍上のエドウィン・カストロ騎手は、2012年のアルキテクト(Arquitecto)、2019年のルドゥーに続いて3度目の3冠制覇。同馬を所有するソナータ・ステーブルと管理するホセ・ベレス調教師は、2017年のフスティシエロ(Justiciero)に続き2度目の3冠制覇となった。


 コンソラドールの気になる今後だが、12月に地元カマレーロ競馬場で行なわれる中米競馬の祭典クラシコ・デル・カリベの出走を目指す。プエルトリコ最強馬から、中米最強馬の座を狙う。


 さて、今回の3冠達成はただの3冠達成ではない。コンソラドール陣営にとって、悲劇を乗り越えた末に勝ち取った、大きな意味を持つ3冠である。


 昨年、プエルトリコにペルシステンテ(Persistente)という馬がいた。同馬の父はコンソール、所有者はソナータ・ステーブル、管理するのはホセ・ベレス調教師、すなわち、コンソラドールと同じ布陣である。ペルシステンテはデビューから6戦6勝と無敗でGⅠデルビー・プエルトリケーニョ、GⅠコパ・ゴベルナドールの2冠を達成した。3冠目のGⅠサン・フアンを勝利すれば、競馬場の名となったプエルトリコの名馬カマレーロ(Camarero)以来、66年ぶり2頭目となる無敗の3冠馬だった。ペルシステンテは2着を大きく引き離して軽快に逃げた。誰もが偉業達成を信じて疑わなかった。しかし、残り600mで種子骨を骨折し、無念の競走中止となった。コンソラドールの陣営は、世界の競馬史上でも類を見ない悲劇に見舞われたのである。今年、彼らはそのときの雪辱を果たした。


 ペルシステンテの悲劇については、以前 こちら で詳しく取りあげた。興味のある方はぜひご覧ください。


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木下 昂也(Koya Kinoshita)

Twitter : @koyakinoshita24

G-mail : kinoshita.koya1024@gmail.com

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