• 木下 昂也(Koya Kinoshita)

王者と女王の地位は揺るがず

写真 : El Turf

https://elturf.com/ejemplares-home?id_ejemplar=357065&tipo_vista=



 3月7日、ウルグアイのマローニャス競馬場でGⅡヘネラル・アルティガス(ダート2400m - 3歳以上)が行なわれた。出走メンバーは、1月17日に同条件で行なわれたウルグアイ最大のGⅠ競走ホセ・ペドロ・ラミーレスとほとんど変わらず、現ウルグアイ王者アトレティコエルクラーノ(Atlético El Culano)へのリベンジ・マッチの様相を呈した。


 しかし、アトレティコエルクラーノは玉座を守ったどころか、その地位をより堅牢なものにした。ジョゼー・ダ・シルヴァ騎手の手綱に導かれて道中は5番手をゆったりと追走すると、3コーナーから進出を開始して前を視界にとらえた。直線入り口で早くも先頭に立つと、2着のオリンピックハーヴァードに6馬身もの差をつける完勝をおさめた。良馬場の勝ちタイムは2分27秒83。終わってみれば、1着から3着までホセ・ペドロ・ラミーレスと同じ着順だった。


 アトレティコエルクラーノは父アルコラーノ、母父ヤグリという血統の4歳牡馬。実力はありながらも、重賞になると2,3着に負けてしまういわゆる善戦マンだったが、今年のホセ・ペドロ・ラミーレスを4 1/2馬身差で優勝して一皮むけた。通算成績は14戦6勝(重賞2勝)。


 次走は未定である。ウルグアイ国内であれば、4月4日のGⅡムニシパルや7月4日のGⅢプレシデンテ・デ・ラ・レプブリカを使って、10月24日に開かれる競馬の南米選手権GⅠラティーノアメリカーノにウルグアイ代表馬として出走することが予想できる。しかし、最近はウルグアイ馬の海外遠征が盛んである。これだけの実力があれば、海外移籍、アメリカ挑戦という道も考えられる。今後の動向を注目したい。


■ GⅡヘネラル・アルティガス



 同日には、GⅢミニステリオ・デ・エコノミーア・イ・フィナンサス(芝2100m - 3歳以上牝馬)が行なわれた。ここに出走してきたのが、1月17日のウルグアイ版エリザベス女王杯にあたるGⅠシウダー・デ・モンテビデオの勝ち馬オンラレアル(Honra Real)である。


 現ウルグアイ女王は、単勝1.50倍と断然の1番人気に支持された。道中は3番手を追走し、4コーナーでは持ったままで逃げ馬を捕まえると、直線楽々と抜け出して快勝。鞍上のパブロ・ロドリゲスは鞭を打つ必要がなかった。良馬場の勝ちタイムは2分7秒65。1 3/4馬身差の2着にブラッサム、3着にヴィラデステが入った。


 オンラレアルは父アグネスゴールド、母父ノーザンアフリートという血統の3歳牝馬。1000ギニー、オークスでは共にインスタマンチャに敗れたが、シウダー・デ・モンテビデオで同馬を逆転。そこから今回の勝利で3連勝と、競走馬としての素質を開花させた。芝・ダート兼用で走れることを示し、今後の選択肢も広がった。通算成績は11戦6勝(重賞2勝)。また、アグネスゴールド産駒は今年5勝目の南米重賞勝利であり、通算南米重賞勝利数を59勝とした。


■ GⅢミニステリオ・デ・エコノミーア・イ・フィナンサス


 しかし、日本の競馬ファンにとっては、オンラレアルの勝利を手放しで喜べない理由がある。


 筆者が現地記者から聞いたところによると、オンラレアル陣営はシウダー・デ・モンテビデオを優勝後、ドバイへ遠征してUAEダービーに出走する意思を示していた。シウダー・デ・モンテビデオは国際GⅠ格であり、レーティングからもオンラレアルの出走は確実視されていた。アグネスゴールド産駒がピンクカメハメハ、タケルペガサス、フランスゴデイナの日本調教馬と戦う、という面白い構図が見られるはずだった。


 しかしドバイ運営は、未勝利を勝っただけのタケルペガサスには招待を送り、国際GⅠの勝ち馬オンラレアルに招待を出さなかった。理由は分からない。オンラレアル側に何か不備があったのかもしれない。だが、まったく不可解である。そのため、オンラレアルは7日のGⅢ競走に回ることになった。UAEダービーに出走していれば、間違いなく勝負になっただろう。そして、日本の競馬ファンがアグネスゴールド産駒の雄姿を拝めただけに、非常に残念である。


 オンラレアルの今後も未定である。GⅠラティーノアメリカーノへ向かうのか、海外移籍するのか。はたまた、繁殖入りの可能性もある。


----------

木下 昂也(Koya Kinoshita)

Twitter : @koyakinoshita24

G-mail : kinoshita.koya1024@gmail.com

最新記事

すべて表示