• 木下 昂也(Koya Kinoshita)

薬漬けにされた馬が1着入線直後に死亡。関係者には最大3年の懲役が科される

 事件はアルゼンチン中部のネウケン州にあるネウケン競馬場で起こった。


 2019年10月6日、ミリート(Milito)がネウケン競馬場11R(ダ500m)で1着になった。しかし、ゴール直後に突然倒れ、獣医師が駆け寄って治療を施したが、まもなく死亡が確認された。


 血液検査の結果、ミリートの体内からカフェイン、エフェドリン、アトロピン、クレンブテロールといった禁止薬物が検出された。これらの物質は興奮作用や気管支拡張作用があり、レースでのパフォーマンスを向上させる。


 ミリートの馬主であるセサル・ラヴァニーノ氏と、鞍上を務めたフランシスコ・アージョ騎手は警察の取り調べを受け、アージョ騎手の車から注射器と針、禁止薬物の入った箱が発見された。これにより、2名は動物虐待とドーピングの罪で起訴された。だが、禁止薬物を提供した人物については特定できなかった。両者の弁護士は禁止薬物の使用を否定しただけでなく、ネウケン競馬場はドーピング規約を定めているものの、コスト不足で滅多に検査をしていないと、運営側を批判して身の潔白を主張した。


 今年8月12日に裁判が開かれた。事件を担当するフリエタ・ゴンサーレス検事は報道陣に対し、「ネウケン競馬場で開催されたレースにおいて、スポーツ的かつ経済的な利益を得る目的で禁止薬物が馬に投与されたという充分な証拠がある」と述べた。アルゼンチンでは、動物虐待は15日から1年の懲役、ドーピング違反は3ヶ月から3年の懲役であるため、被告には最大となる懲役3年が言い渡されるのではないかとのことである。


 ゴンサーレス検事も「競走における公平性を守るため、他のスポーツでも行なわれているように、出走馬を無作為に選んでドーピング検査をしなければならない」と、ネウケン・ジョッキークラブの杜撰な管理体制を批判した。ネウケン競馬場ではドーピング違反が度々問題になっている。2019年5月1日にも、ネグリータ(Negrita)という牝馬がスタート直後に倒れて死亡した。同馬の体内から5種類もの禁止薬物が検出されたが、このときは証拠不十分で馬主は無罪となった。


■ 問題となったレース。ゴール直後に死亡した。


■ 事件を説明するフリエタ・ゴンサーレス検事



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木下 昂也(Koya Kinoshita)

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