• 木下 昂也(Koya Kinoshita)

14日&15日のブラジルGⅠデーを展望

 8月14日と15日、ブラジルのガヴェア競馬場でGⅠデーが開催される。14日には短距離GⅠマジョール・ズッコー(芝1000m - 3歳以上)と、牝馬限定GⅠホベルト・イ・ネルソン・グリマルヂ・セアブラ(芝2000m - 4歳以上牝馬)が、15日にはマイルGⅠプレジデンチ・ダ・ヘプブリカ(芝1600m - 3歳以上)と、メインレースでありブラジル競馬最大の競走であるGⅠブラジル(芝2400m - 3歳以上)が行なわれる。



マジョール・ズッコー

出馬表:El Turf


 GⅠマジョール・ズッコーは、レアンドロ・エンヒキ騎乗の5歳牝馬イタジーバ(Itagiba)が最有力である。今年は8戦して3着以内を外しておらず、ここ2戦は同条件のGⅢを連勝している。


 2番手以下は大混戦である。昨年のこのレースで勝ち馬からクビ差の2着に敗れたナンタケット(Nantucket)は、念願のGⅠ制覇を狙う。今年に入ってまだ勝ち星はないが、重賞2勝と実績上位なのは間違いない。なお、昨年の覇者ガタイフロール(Gata Y Flor)は出走せず、おそらく日本に繁殖牝馬として売却されるものと思われる。


 ワイルドイヴェント産駒の4歳牝馬インエッセンス(In Essence)は、前走で6頭立ての4着と崩れたものの、昨年8月のGⅢでガタイフロールを、今年5月の特別競走でイタジーバを下して優勝した。3連勝でGⅡを勝利した4歳牡馬テクスポート(Texport)も侮れない。キャリアまだ4戦しかしていないが、こちらもイタジーバやガタイフロールに先着した経験がある。昨年12月から約8ヶ月ぶりの出走というのが不安材料だろう。3歳馬オヴェラート(Overath)ロマール(Lomar)は軽量を活かせれば一発あるか。


【筆者予想】

◎ オヴェラート

○ イタジーバ

▲ インエッセンス

△ ナンタケット



ホベルト・イ・ネルソン・グリマルヂ・セアブラ

出馬表:El Turf


 GⅠホベルト・イ・ネルソン・グリマルヂ・セアブラは4歳勢の戦いと見ていいだろう。もちろん、実績では2020年の2冠牝馬マイスキボニータ(Mais Que Bonita)が一番なのだが、昨年8月のGⅡを勝利して以来、2着4回、3着2回と勝ち星に見放されているだけでなく、格下にもあっけなく敗れている。賞味期限切れと見ていいだろう。


 そうなると、牝馬3冠競走で善戦したアイビリーヴインマジック(I Believe In Magic)アイドルウェイズ(Idle Ways)シェリーヴィ(Cherie Vi)の3頭が有力だろう。とりわけシェリーヴィは、3冠最終戦を回避してシダーヂ・ジャルディン競馬場の古馬GⅠO.S.A.Fに果敢に挑み、強豪エルキス(Helquis)からわずか1/4馬身差の2着と実力を証明した。


 重賞2勝のムグルサ(Muguruza)は初めてのガヴェア競馬場がどうなるか。前哨戦を快勝したアグネスゴールド産駒のザシスター(The Sister)は、レースレベルに疑問が残るため積極的には推せない。


【筆者予想】

◎ シェリーヴィ

○ アイドルウェイズ

▲ アイビリーヴインマジック

△ マイスキボニータ



プレジデンチ・ダ・ヘプブリカ

出馬表:El Turf


 GⅠプレジデンチ・ダ・ヘプブリカには、昨年の覇者でアグネスゴールド産駒のオリンピックジョンスノー(Olympic Jhonsnowが出走する。前走2000mのGⅠでは7着に敗れたが、距離が長いのは明らかであり、本番に向けた調整と見ることができる。マイルで馬券圏内を外すとは思えない。


 そのオリンピックジョンスノーに思わぬ刺客が現れた。3歳馬のオセアーノアズール(Oceano Azul)である。ここまで4戦3勝。2走前のGⅡでは6 1/4馬身差、前走の2歳GⅠでは3 3/4馬身差と、世代最強の地位を確固たるものにした。このまま3歳路線を歩むのかと思われたが、7月1日で3歳になりたての馬が選んだのは古馬のマイル路線だった。ここも快勝するようなら、ブラジル・マイル路線の主役の座は間違いなくこの馬に移る。


 同じく3歳馬での参戦となったのが、コジェール産駒のキープコジェール(Keep Koller)である。サンパウロの2歳GⅠの勝ち馬で、前走同条件のGⅢでは古馬を相手に2着と好走した。2歳時にはオセアーノアズールとも接戦を演じており、3歳馬ワンツーの可能性もある。


 その他、2020年にサンパウロ2歳女王ダッシングコート(Dashing Court)は、現在タルマー競馬場を中心に走っており、ピークを過ぎた感じが否めない。前哨戦を勝ったアグネスゴールド産駒のカリビアン(Caribean)も、メンバーレベルの上がるこの舞台では苦戦を強いられるだろう。


【筆者予想】

◎ オセアーノアズール

○ オリンピックジョンスノー

▲ キープコジェール

△ カンペランダ



ブラジル

出馬表:El Turf


 メインレースとなるGⅠブラジルは2強対決と言っていい。昨年の勝ち馬で現在南米最高レーティングを保持する5歳牡馬ピンパーズパラダイス(Pimper's Paradiseと、6月27日に行なわれたGⅠマチアス・マッハラインの勝ち馬で4歳牡馬ジャクソンポロック(Jackson Pollockである。


 能力ではピンパーズパラダイスが図抜けているが、今年はなかなか体勢が整わずに2月のGⅢしか出走しておらず、GⅠマチアス・マッハラインも熱発によって直前回避となった。体調面に不安が残る。


 一方のジャクソンポロックは、3冠競走では5,4,3着と苦渋をなめたが、5月のGⅡ、6月のGⅠを連勝と絶好調である。勢いそのままにピンパーズパラダイスを逆転することも充分に可能である。


 今年4連勝でサンパウロ王者に輝いたヘッドオフィス(Head Office)は、前走のGⅠマチアス・マッハラインで初めてガヴェア競馬場に登場して4着に敗れたものの、2度目となる今回は伸びしろが期待できそうである。名手ジョルジ・ヒカルドが継続騎乗するのも頼もしい。


 ダービー馬オリンピッククレムリン(Olympic Kremlinはこのところピリっとしないが、ムラのある馬なのでどこで一発あるか分からない怖さがある。アグネスゴールド悲願のGⅠブラジル制覇はこの馬に懸かっている。


 出走馬でもっとも不気味なのが、アグネスゴールド産駒の4歳牝馬ザラバターナ(Zarabatana)である。牝馬GⅠホベルト・イ・ネルソン・グリマルヂ・セアブラではなく牡馬にぶつけてきたということは、陣営に自信があるということだろう。気性の難しい馬だが、無敗の3冠牝馬ジャネールモネイ(Janelle Monay)に迫った実力をこの舞台でも出せれば上位もある。


【筆者予想】

◎ ザラバターナ