• 木下 昂也(Koya Kinoshita)

2強対決となったGⅠ25・デ・マヨ、軍配は……?


ヴィレッジキング(Village King) 写真: El Turf https://elturf.com/ejemplares-campana?id_ejemplar=344217&tipo_vista=

 6月12日、アルゼンチンのサン・イシドロ競馬場でGⅠ25・デ・マヨ(芝2400m - 3歳以上)が行なわれた。本来はレース名のとおり5月25日に開催されるはずだったが、アルゼンチン国内での新型コロナウイルス感染拡大のため、大統領命令により屋外スポーツの開催が5月30日まで禁止された。当初は6月2日に延期予定だったが、それも再延期となり、12日にようやくの開催となった。なお、25・デ・マヨとはスペイン語で「5月25日」を意味するが、この日はアルゼンチンの革命記念日である。


 今年の25・デ・マヨには12頭が出走した。だが、単勝オッズを見れば分かるように、実質2強対決となった。4.40倍の1番人気に支持されたヴィレッジキング(Village King)と、4.45倍の2番人気となったミリニャーケ(Miriñaque)である。


 ヴィレッジキングは2017年のGⅠジョッキークルブの勝ち馬である。同年のGⅠカルロス・ペジェグリーニで3着になった後にアメリカに移籍すると、2018年11月にアケダクト競馬場で行なわれたリステッド競走レッド・スミスSを優勝した。2019年のGⅠマンノウォーSで8着を最後にアルゼンチンに帰国したが、種牡馬としてではなく競走馬として戻ってきたのは異例である。実力は衰えておらず、今年に入ってGⅠミゲル・アルフレード・マルティネス・デ・オス、GⅢポルテーニョと重賞を連勝して25・デ・マヨに挑んできた。


 一方のミリニャーケも海外遠征帰りである。2019年にGⅠポージャ・デ・ポトリージョスとGⅠナシオナルのアルゼンチン2冠を達成すると、翌年3月に行なわれた競馬の南米選手権GⅠラティーノアメリカーノで2着に入り、その後アメリカに移籍した。11月のGⅡサラブレッド・アフターケア・アライアンスSで2着に入るなど奮闘したが、アメリカ、そしてサウジアラビアでは勝ち星をあげることができず、今年3月にアルゼンチンに帰国した。25・デ・マヨがアルゼンチン復帰戦となった。


 レースは好スタートを切ったワイナリー(Winery)が逃げ、3番手にヴィレッジキング、その後ろにミリニャーケという展開になった。1000m付近でヴィレッジキングがポジションを押し上げて2番手で直線に向くと、残り400mのところで先頭に躍り出た。ミリニャーケはヴィレッジキングの後ろにいたが、ヴィレッジキングの隣を走っていたオトロプラネタ(Otor Planeta)が思ったよりも抵抗したため、進路を探すのに手こずった。結果としてこれがヴィレッジキングの勝因であり、ミリニャーケの敗因となった。粘りこみをはかるヴィレッジキングが、外から猛然と襲いかかるミリニャーケを1/2クビ差しのいで優勝した。勝ちタイムは2分30秒27。


「デビュー戦のときとはまったく違う馬になっていた。時間が経ち、経験を積んでとても良くなった」と、2017年7月のデビュー戦以来、約4年ぶりにヴィレッジキングの手綱を握ったアドリアン・ジャネッティ騎手は述べた。なお、ヴィレッジキングの主戦はブライアン・エンリケ騎手だが、騎乗契約の都合で今回はクールティー(Cool City)に騎乗していた。


 ヴィレッジキングは父キャンパノロジスト、母ヴィラール、その父プレザントタップという血統の6歳牡馬。今回の勝利でアルゼンチンでの成績を11戦7勝(重賞6勝、GⅠ3勝)とした。今年に入ってから3連勝、GⅠ連勝と絶好調でアルゼンチンの芝王者に君臨している。重賞6勝はいずれも芝のレースだが、同馬を所有するエル・アンヘル・デ・ベネシアによると、今後は10月24日にウルグアイのマローニャス競馬場で行なわれるダート2000mのGⅠラティーノアメリカーノにアルゼンチン代表馬として出走し、その後12月のGⅠカルロス・ペジェグリーニへ向かうプランである。


 体調さえ問題なければ、代表馬の1頭に選出されるのは間違いない。これまでダートはアルゼンチンで1戦、アメリカで1戦して2戦1勝と実力未知数だが、成長した今ならまったく苦にせず走れるだろう。今度はダートの大舞台でミリニャーケとの再戦、そしてアルゼンチン現役最強馬ストラテゴス(Strategos)との対決が見られるかもしれない。



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木下 昂也(Koya Kinoshita)

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