• 木下 昂也(Koya Kinoshita)

衝撃:アルゼンチン2冠馬イルウィンから禁止薬物コバルトが検出される

 アルゼンチン競馬に衝撃が走った。


 11月21日にアルゼンチン・ジョッキークラブが発表した裁決書によると、今年の2000ギニーとダービーを制して2冠馬となったシークアゲイン産駒イルウィン(Irwin)から、禁止薬物コバルトが検出された。イルウィンと、同馬を管理するハビエル・フレン調教師には一時的な出走停止処分が言い渡された。これにより、イルウィンは目標としていた12月のGⅠカルロス・ペジェグリーニに出走できなくなった。


 違反が発覚したのは、2着に敗れた10月16日のGⅠジョッキークルブの検体である。検体はレース後にフランスの "Laboratorie del Courses Hippiques (LCH)" に送られ、そこでコバルトが確認された。これにより、ジョッキークルブの競走成績が「2着」から「失格」となる見込みである。


 これに関連する大きな問題が2つある。 


 アルゼンチン競馬では、重賞競走の上位入着馬の検体をフランスに送って調査するため、最終的な着順が確定するまで1ヶ月近くを要する。ジョッキークルブからダービーまでの期間が約1ヶ月。ということは、もしアルゼンチン側で事前に禁止薬物を確認できていれば、イルウィンはダービーを勝つどころか、ダービーに出走すらできなかったのである。ダービーの検体は現在フランスで検査中だが、場合によってはダービーも失格となるかもしれない。


 もう1つの問題はハビエル・フレン調教師である。実はこの人物、昨年10月にもラバリダーダ(La Validada)でドーピング違反を犯している。1000ギニーとオークスの検体からデキサメタゾンとベタメタゾンが検出され、2ヶ月の資格停止処分を科された。再犯となる今回は、より重い処分が下されるだろう。


 近年、アルゼンチン競馬は深刻なドーピング問題に悩まされている。毎年のようにGⅠ競走の1着入線馬がドーピング違反で失格となるが、今回ついにダービー馬が引っかかってしまった。競馬関係者はドーピング問題を早急に解決すべき課題として挙げているが、いっこうに改善される気配がない。ドーピング自体はもちろん大問題である。だがそれよりも大きな問題は、ドーピング違反をレース前に調べられないアルゼンチンの杜撰な検査体制ではないだろうか。



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木下 昂也(Koya Kinoshita)

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