• 木下 昂也(Koya Kinoshita)

3歳馬ディディアがコパ・デ・プラタを制してアルゼンチン女王に


写真:Hipódromo San Isidro(@HipodromoSI) https://twitter.com/HipodromoSI/status/1469830627453288449

 12月11日、アルゼンチンのサン・イシドロ競馬場でGⅠコパ・デ・プラタ(芝2000m - 3歳以上牝馬)が行なわれた。このレースは日本でいうところのエリザベス女王杯にあたるレースであり、アルゼンチン牝馬芝路線の最強馬を決める戦いである。


 GⅠポージャ・デ・ポトランカスとGⅠセレクシオンの2冠を達成したカルタエンブルハーダ(Carta Embrujada)がアメリカ移籍のため回避となったが、GⅠエンリケ・アセバル(芝2000m - 3歳牝馬)の勝ち馬①ディディア(Didia)、GⅠ1000ギニー(芝1600m - 3歳牝馬)の勝ち馬⑦ポルボラーダ(Polvorada)、GⅠセレクシオン・デ・ポトランカスの勝ち馬⑧ヒットエメリット(Hit Emerit)の3歳勢に加え、⑤ジャスティファイマイラヴ(Justify My Love)、⑩エスカビアール(Escabiar)といった古馬の重賞馬も参戦し、頂上決戦にふさわしい顔ぶれとなった。


 好スタートを決めたウィリアム・ペレイラ騎乗の1番人気ディディアがハナを切った。2番手に⑰マルケサキー(Marquesa Key)、3番手にポルボラーダ、4番手にエスカビアールが続き、ジャスティファイマイラヴは5番手の内を追走した。最後の直線に入ってもディディアの勢いは衰えないどころか、むしろ加速して後続を引き離し、終わってみれば2着に4馬身差をつける快勝をおさめた。勝ちタイム1分56秒81は、2007年2月11日にストームミリタリー(Storm Military)が出した1分56秒82を14年10ヶ月ぶりに更新する芝2000mのアルゼンチン・レコードだった。2着にはアグネスゴールド産駒のジャスティファイマイラヴが入り、3着は人気薄の⑤ボノニア(Bononia)だった。


「ディディアは10月末に産まれた。常に良い状態だったが、成長を待たなければならなかった。今回は良いレースをしてくれると信じていたが、このパフォーマンスなら海外での走りを見たいと思わせてくれた」と、生産者で馬主のイグナシオ・パブロフスキー氏は述べた。


 ルシアーノ・セルッティ調教師が「走りは素晴らしく、直線に入ったときにはもう勝ったと思った。最初の400mで3,4馬身の差をつけて逃げられたので、落ち着いて見ていられた」と語れば、鞍上のウィリアム・ペレイラ騎手も「何もかもがとても簡単だった。彼女は軽やかで、反応も最高だった。まさかレコード勝ちとは思わなかったけれど」と話した。


 ディディアは父オーペン、母デランブリ、その父レインボーコーナーという血統の3歳牝馬。2018年10月26日にアルゼンチンのラ・マニーハ牧場で産まれた。近親には2020年のGⅠラティーノアメリカーノを制して南米王者に輝いたテターセ(Tetaze)がいる。


 今年6月2日にデビューし、3戦目で初勝利をあげた。ダートGⅠのポージャ・デ・ポトランカスでは4着に敗れたが、芝に戻ったGⅡフェデリーコ・デ・アルベアールを6馬身差で快勝して重賞初勝利をあげると、前走GⅠエンリケ・アセバルでも3馬身差の逃げ切り勝ちをおさめた。今回の勝利で3連勝、GⅠ連勝となり、通算成績を7戦4勝(重賞3勝)とした。


 父のオーペンは今年1月に亡くなったが、アルゼンチン競馬界への影響力はまだまだ強い。アルゼンチンのフアン・サルト氏はこのように述べた。「昨シーズン、生産者たちはオーペンとの種付けを好まなかった。種牡馬としてのピークは過ぎたと考えたからである。だが、良いものは良いのだ」




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