
木下 昂也(Koya Kinoshita)
アルタイル・ドミンゴス騎手が左目の怪我により現役引退

写真:Clarín https://www.clarin.com/turf/altair-mejor_ano-olimpia_0_ry06hAdv7x.html
ブラジルとアルゼンチンで活躍したアルタイル・ドミンゴス騎手が、左目視神経断裂のため現役を引退することになった。アルゼンチンの競馬メディア『レビスタ・パレルモ(Revista Palermo)』が報じた。今後どうするかは未定だという。
ドミンゴス騎手は、2021年5月1日のGⅠモンテビデオ(ダ1500m - 2歳)でゴテオキー(Goteo Key)に騎乗した際、最後の直線で馬の故障によって頭から地面に叩きつけられた。10分間意識不明だったものの、幸いにも大きな怪我はなく、5月6日にはレースに復帰し、勝ち星もあげた。だが、5月8日のレース後に視野の不調を訴え、再度休養を強いられた。母国ブラジルに帰るなどして復帰を目指して療養していたが、症状が良くなることはなく、幾度もの精密検査の結果、左目の視神経を断裂していることがようやく判明した。今後症状が回復する見込みはなく、医師からは引退を勧められ、ドミンゴス騎手も引退を受け入れた。
「本当に予想もしていなかった知らせです。木曜日に左目の視神経が断裂していることが分かりました。この怪我では騎手を続けることはできません。今後どうするか、現時点では何も考えていません」と、ドミンゴス騎手は述べた。
アルタイル・ドミンゴス騎手は1981年にアルゼンチン・ミシオネス州のベルナルド・デ・イリゴージェンで生まれたが、幼少期にブラジルへ引っ越したためブラジル国籍である。サンパウロの競馬学校に入学して騎手になると、2度のサンパウロ・リーディングを獲得した。2008年にはトップハット(Top Hat)で、2013年にはエアロゾル(Aerosol)でブラジル最大のGⅠ競走ブラジル(芝2400m - 3歳以上)を優勝している。
2009年からアルゼンチンに拠点を移すと、ラ・プロビデンシア牧場の主戦騎手として勝利を積み重ねた。カルロス・ペジェグリーニなどGⅠ4勝をあげたアルゼンチンの歴史的名馬ハイハッピー(Hi Happy)、GⅠ3勝のエルマーゴット(El Margot)に加え、オジャグア、フアイナ、キャンディーネバーダなど日本で繁殖牝馬となった馬の手綱も握った。2014年と15年にはアルゼンチン最優秀騎手に選出された。アルゼンチン通算2093勝をあげ、うちGⅠは38勝である。
■ 2015年GⅠカルロス・ペジェグリーニ(ハイハッピー)
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木下 昂也(Koya Kinoshita)
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