
木下 昂也(Koya Kinoshita)
有力馬がこぞって回避したGⅠ2000ギニーはジャズセイヴァーが制す

写真:Hipódromo San Isidro(@HipodromoSI) https://twitter.com/HipodromoSI/status/1556039829284331520
8月6日、アルゼンチンのサン・イシドロ競馬場でGⅠ2000ギニー(芝1600m - 3歳)が行なわれた。
2歳GⅠを2勝したスブサナドール(Subsanador)がダート路線に専念し、GⅠグラン・クリテリウムの勝ち馬スターガラン(Star Galán)が調教中の負傷で回避したため、GⅠ馬不在の1戦となった。さらに、2戦2勝でGⅡを制して1番人気確実だったローソン(Lawson)も、軽傷によりレース直前に取り消した。重賞馬すらいない6頭立てという、レース史上稀に見る低レベルな1戦となった。
⑤アセールウンプエンテ(Hacer Un Puente)がハナを切り、2番手に⑥アグリーアブル(Agreeable)がつけた。この2頭は直線でもしぶとく粘ったが、スタートで出遅れて後方からレースを進めたアドリアン・ジャネッティ騎乗の3番人気③ジャズセイヴァー(Jazz Seiver)が、残り200m地点でまとめて前を飲み込んだ。良馬場の勝ちタイムは1分36秒13。2着争いはアグリーアブルが制し、3着はアセールウンプエンテだった。
「デビュー戦のときも出遅れて後ろからの競馬になった。今日も同じように出が悪かったが、それが彼のスタイルなので心配していなかったし、ペースが遅かったので前から離されなかったのが幸いした。直線での走りは素晴らしかった。距離適性も含めてまだまだ良くなる余地があるし、もっと先に進める馬だと思う」と、アドリアン・ジャネッティ騎手は述べた。なお、ジャネッティ騎手と馬主のラス・モンヒータスは、昨年のベスパシアーノ(Vespaciano)に続いて2000ギニー連覇となった。
ジャズセイヴァーは父スーパーセイヴァー、母ジャズキャッチ、その父キャッチャーインザライという血統の3歳牡馬。2019年9月24日にアルゼンチンのフィルマメント牧場で産まれた。母のジャズキャッチはGⅡ馬。父のスーパーセイヴァーにとってアルゼンチンで2頭目のGⅠ馬となった。
デビューしたのは2022年7月9日、3歳になってからと遅かった。だが、今回と同じ条件で行なわれたデビュー戦で見事な末脚を披露して2馬身差の勝利をおさめると、わずか30日足らずでGⅠ馬まで上り詰めた。通算成績は2戦2勝(重賞1勝)。
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木下 昂也(Koya Kinoshita)
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