• 木下 昂也(Koya Kinoshita)

『美少年』ニーニョグアポがアルゼンチン・ダービー馬に輝く


ニーニョグアポ(Niño Guapo)
写真:Juan Igunacio Bozzello


 11月12日、アルゼンチンのパレルモ競馬場でGⅠナシオナル(ダ2500m - 3歳)が行なわれた。このレースはアルゼンチンのダービーに相当し、アルゼンチン3冠競走の最終戦となっている。


 2冠目のGⅠジョッキークルブを勝ったナタン(Natán)が回避し、⑧ファンタスマ(Fantasma)が怪我で取り消したため、今年は12頭で争われた。前哨戦のGⅡを6馬身差で快勝した⑦ニーニョグアポ(Niño Guapo)が1番人気に推された。GⅠでは2着1回3着2回と泣いているが、実力は申し分ない。1冠目のGⅠポージャ・デ・ポトリージョスを勝った④エルムシカル(El Musical)は2番人気だった。GⅠジョッキークルブでは1着入線も斜行で2着降着となって3冠の夢は潰えたが、ダービー馬の座は是が非でも手に入れたい。この2頭が1.9倍と3.8倍で2強を形成し、3番人気は14.65倍と離れた。なお、ルイス・ブリーガス騎手、ゴンサーロ・ボルダ騎手、マルティン・ラ・パルマ騎手の3名がダービー初騎乗となる。


 大外枠から⑬エスピリトゥコラフード(Espíritu Corajudo)がダッシュを利かせてハナに立った。2番手にエルムシカルが続き、それをマークするようにニーニョグアポが3番手集団の外につけた。3コーナーで逃げ馬が早々に脱落すると、エルムシカルと⑥スーパーカクテル(Super Cocktail)が先頭を争った。直線で余力たっぷりに抜け出したエルムシカルがこのまま押し切るかと思われたが、ウィリアム・ペレイラ騎乗のニーニョグアポが外から強襲してあっさりとエルムシカルを交わした。良馬場の勝ちタイムは2分33秒55。4馬身差の2着にはエルムシカルが入り、さらに2 1/2馬身差の3着は⑩ビジョン(Billón)だった。


「この馬が長距離が得意なことは分かっていたが、調整に関しては1600mを走るときと何かを変えたわけではなかった。大事なのは本番に向けて健康でいることだった。ジョッキークルブを回避したのは、カセイからナシオナルという路線のほうが馬にとって都合が良いと考えたからである。馬は素晴らしい状態だった。レースは落ち着いて見ていられた。残り300mのところで勝ったと思ったし、勝ち方も良かった。鞍上のウィリアム・ペレイラから厩務員、獣医師に至るまで、素晴らしいチームを築けたおかげである」と、フアン・サルディビア調教師は述べた。鞍上のウィリアム・ペレイラ騎手、管理するサルディビア調教師は共にダービー初勝利である。



 ニーニョグアポは父キャッチャーインザライ、母ブルグアニニャーダ、その父ヨハネスブルグという血統の3歳牡馬。2019年9月14日にアルゼンチンのエル・チャニャール牧場で産まれた。4代母にニポーナを持つアルゼンチン屈指の優秀牝系に属し、近親には多数のGⅠ馬・重賞馬がいる。父のキャッチャーインザライはアルゼンチンで大活躍した種牡馬だが、意外なことにアルゼンチン・ダービーはこれが初勝利である。


 ニーニョグアポはスペイン語で「美しい少年」という意味である。2022年2月26日のデビュー戦を白星で飾った。2歳時はGⅠモンテビデオで2着、GⅠエストレージャス・ジュヴェナイルで3着と好走した。3歳初戦のGⅡミゲル・カネーを勝利して1冠目のポージャ・デ・ポトリージョスに挑んだが、エルムシカルの3着に敗れた。2冠目のGⅠジョッキークルブには向かわず、ナシオナルの前哨戦であるGⅡエドゥアルド・カセイに出走して6馬身差で快勝すると、勢いそのままにダービー馬の座を手に入れた。通算成績は7戦4勝(重賞3勝)。




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