
木下 昂也(Koya Kinoshita)
伏兵ジョイネヴァーランドがレコードでGⅠコパ・デ・プラタを制す

写真:Hipódromo San Isidro(@HipodromoSI) https://twitter.com/HipodromoSI/status/1604271822056333312
12月17日、アルゼンチンのサン・イシドロ競馬場でGⅠコパ・デ・プラタ(芝2000m - 3歳以上牝馬)が行なわれた。アルゼンチンのエリザベス女王杯に相当するレースである。
今年は19頭立てとなった。確固たる有力馬がおらず、1桁人気馬が7頭もいるという大混戦の1戦となった。
今年のGⅠクリアドーレスを勝った⑪ラバリダーダ(La Validada)、GⅠエンリケ・アセバルでまさかの勝利をあげた⑮ミラグローサスレーニャ(Milagrosa Sureña)という2頭のGⅠ馬を差し置き、3連勝でGⅡを勝った3歳牝馬の⑨イッサ(Issa)が1番人気に支持された。能力は間違いないが、初めての芝をこなせるかがポイントである。
いつものように⑧ハニーブーン(Hony Boone)がハナを切った。しかし、⑱スーパーシャイン(Super Shine)が外から競りかけてくると、スタートから400mのところで先頭を奪った。前が飛ばしたため、かなり早いペースとなった。
スーパーシャインは直線半ばまで先頭を走り、そのまま逃げ切るかという気配を見せた。しかし、道中は後ろから4頭目あたりを追走していたブライアン・エンリケ騎乗の11番人気ジョイネヴァーランド(Joy Neverland)が巧みに馬群をさばいて抜けてくると、あっという間に前を差し切って勝利した。
良馬場の勝ちタイムは1分56秒69。これは昨年のこのレースでディディア(Didia)が出した1分56秒81を更新する芝2000mのアルゼンチン・レコードである。
勝ち馬から3馬身差の2着にはミラグローサスレーニャが入った。そこから3/4馬身差の3着にはスーパーシャインが粘った。1番人気のイッサは17着と大敗した。
「馬はこのレースに向けて万全の状態だった。今日ほど良い状態だったことはなく、とても期待していた。18番枠を引き当てたときは痛かったが、おかげでどういうレースをするかプランを綿密に練れた。ブライアン(エンリケ騎手)の騎乗は完璧だった」と、ジョイネヴァーランドを管理するカルロス・エチェチュリー調教師は述べた。
ジョイネヴァーランドは父フォーティファイ、母ネヴァーマインドインク、その父インクルードという血統の5歳牝馬。2017年9月22日にアルゼンチンのラ・ビスナーガ牧場で産まれた。3代母に名繁殖牝馬ニポーナ(Nipona)を持つアルゼンチン有数の良血馬である。
デビューしたのは2021年3月27日と遅かった。2戦目で初勝利をあげると、5戦目では特別競走を勝利した。
今年の始動戦となった2月のGⅠフアン・ショーで3着と好走した。前走のハンデ戦をクビ差勝利してキャリア3勝目をあげると、今回のGⅠコパ・デ・プラタに挑戦した。重賞未勝利だったため人気はなかったが、鞍上の好騎乗にも支えられてアルゼンチン牝馬の頂点に上り詰めた。通算成績は10戦4勝(重賞1勝)。
同馬を所有するラ・ラージャはこれがGⅠ初勝利である。2018年に初出走し、通算88戦目でのGⅠ勝利となった。
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