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  • 木下 昂也(Koya Kinoshita)

圧倒的本命馬が放馬で除外、GⅠフェリクス・デ・アルサガ・ウンスエーは波乱の決着に


ジャストオンタイム(Just On Time)
写真:Hipódromo San Isidro(@HipodromoSI) https://twitter.com/HipodromoSI/status/1604269945105391616

 12月17日、アルゼンチンのサン・イシドロ競馬場でGⅠフェリクス・デ・アルサガ・ウンスエー(芝直1000m - 3歳以上)が行なわれた。


 23頭もの馬が出走を表明したが、注目は2頭の対決だった。昨年のこのレースの覇者で、直線1000mで10連勝を達成した⑯リュティエブルース(Luthier Blues)と、GⅠ2勝を含む無傷の5連勝でリュティエブルースから短距離王の座を奪った3歳馬の⑨ラブラード(Labrado)である。3度目となる両者の直接対決は、ラブラードが1番人気に支持された。


 実力馬⑲ルディートリガー(Rudy Trigger)が4.70倍の3番人気、ドーピング失格を挟むものの4戦連続1着入線の②アルメンドロエンフロール(Almendro En Flor)が5.05倍の4番人気、ダート重賞3連勝中の④チェマーガ(Che Maga)が7.00倍の5番人気で2頭を追った。



 スタート直前、レース史に残るアクシデントが発生する。最後に枠入りを行なったラブラードがゲートを突き破って放馬してしまったのである。アルゼンチンでは放馬は即除外となるため、これで圧倒的本命がいなくなった。鞍上のウィルソン・モレイラ騎手はヘルメットを叩きつけて悔しさをあらわにした。


 なお、ラブラードが飛び出た勢いで⑭ロードアレックス(Lord Alex)も放馬したため、競走除外となった。フェリクス・デ・アルサガ・ウンスエーは最終的に21頭立てとなった。


 レースは馬場の横幅いっぱいを使って争われた。内から5番人気の⑩ルモール(Le Mall)が抜け出したが、馬場の中央から伸びたロドリゴ・バスクニャン騎乗の11番人気⑧ジャストオンタイム(Just On Time)が差し切り勝ちをおさめた。良馬場の勝ちタイムは54秒90。


 2着にはジャストオンタイムと並んで伸びてきた6番人気の⑦ジャンピースプリング(Kumpy Spring)が入り、ルモールは3着に粘った。ラブラードの除外で急遽1番人気となったリュティエブルースだが、内からじわじわと伸びるだけで4着に敗れた。


「とても嬉しい。自分自身もこの勝利には驚いている。1400mや1500mも使ったことがあるが、スピードに偏った馬なので最後に垂れてしまった。だから短距離に専念することにした。ロドリゴ・バスクニャンはテン乗りだったが、とても良い騎乗をしてくれた」と、ジャストオンタイムを管理するアンヘル・カンポーラ調教師は述べた。


 鞍上を務めたロドリゴ・バスクニャン騎手は昨年のアルゼンチン最優秀見習い騎手である。テン乗りながら見事にジャストオンタイムを操り、キャリア初のGⅠ制覇を成し遂げた。



 ジャストオンタイムは父ハリケーンキャット、母リンダベイビー、その父ソルトレイクという血統の3歳牡馬。2019年8月16日にアルゼンチンのエル・マジン牧場で産まれた。


 2021年11月22日にデビューし、3戦目で初勝利をあげた。その後は距離延長を試みたが、1500mのGⅠモンテビデオで6着、1400mのリステッド競走で6着と振るわなかった。


 前走の条件戦で直線1000mに戻り、これを4馬身差で快勝した。重賞未勝利であるため人気はまったくなかったが、豊作と言われる3歳世代の強さを見せつけて重賞初制覇をGⅠの舞台で決めた。通算成績は8戦4勝(重賞1勝)。




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木下 昂也(Koya Kinoshita)

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【Mail】 kinoshita.koya1024@gmail.com

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