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GⅠ馬ジョイネヴァーランドとタングリトーナが日本で繁殖入り濃厚

 アルゼンチンの競走馬輸送会社である VHA が、ジョイネヴァーランド(Joy Neverland)とタングリトーナ(Tan Gritona)という2頭のアルゼンチンGⅠ馬をアメリカに輸送したことを Instagram で明らかにした(※現在は投稿削除済み)。


 それを受けてアルゼンチンの競馬メディア『トゥルフ・ディアリオ(Turf Diario)』は、2頭がアメリカで種付けをした後、日本で繁殖牝馬になると報じた。


 しかし、ジョイネヴァーランドの馬主であるアグスティン・ジャキンタ氏は筆者の取材に対して、「最終目的地がどこなのは分からない。私が分かっているのは、馬がアメリカに送られ、アメリカで種付けされることだけである」と述べた。そのため、2頭の日本行きが確定しているとは言えない。だが、アルゼンチン牝馬の輸出傾向や血統的背景を考えると、おそらく日本で繁殖入りすると予想できる。



 ジョイネヴァーランドは父フォーティファイ、母ネヴァーマインドインク、その父インクルードという血統の5歳牝馬。2017年9月22日にアルゼンチンのラ・ビスナーガ牧場で産まれた。2018年に産まれた全弟マティアスイグナシオ(Matias Ignacio)はペルーで競走生活を送っており、2021年のGⅠデルビー・ナシオナル(ペルー・ダービー)で3着という実績を持つ。


 2021年3月27日にデビューし、2戦目で初勝利をあげた。その年の12月には特別競走ブループライズを4馬身差で勝利した。2022年は2月のGⅡフアン・ショーで始動して3着となると、12月17日のGⅠコパ・デ・プラタでは1分56秒69という芝2000mのアルゼンチン・レコードを樹立して優勝した。通算成績は10戦4勝(重賞1勝)。


☞☞☞ 伏兵ジョイネヴァーランドがレコードでGⅠコパ・デ・プラタを制す


 ジョイネヴァーランドの特筆すべき点は、3代母にニポーナ(Nipona)を持つことである。ニポーナ 1-e という牝系は、GⅠ馬・重賞馬を多数輩出しているアルゼンチン有数のラインである。同じくニポーナ 1-e に属するジョイニデーラ、ジョイニキータ、ナスティア、オオサンバシが日本に購入されたように、日本の生産者はこの牝系に可能性を見出している。



 一方、タングリトーナは父フルマスト、母サルスティアーナ、その父マニピュレーターという血統の3歳牝馬。2019年7月24日にアルゼンチンのグラン・ムニェーカ牧場が生産した。2代母スキンピー(Skympy)はアルゼンチンGⅢオクレンシーアの勝ち馬である。


 2022年1月29日にデビューすると、無傷の3連勝でGⅠホルヘ・デ・アトゥーチャとGⅠデ・ポトランカスを勝利した。2022年のアルゼンチン最優秀2歳牝馬の受賞が有力視されている。3歳時も活躍が期待されたが、GⅠポージャ・デ・ポトランカスで7着、GⅠセレクシオンで5着と振るわなかった。通算成績は5戦3勝(重賞2勝)。


☞☞☞ 10頭立ての9番人気タングリトーナがGⅠホルヘ・デ・アトゥーチャを優勝


■ GⅠコパ・デ・プラタ


■ GⅠホルヘ・デ・アトゥーチャ


■ GⅠデ・ポトランカス



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木下 昂也(Koya Kinoshita)

【Twitter】 @koyakinoshita24

【Instagram】 @kinoshita_koya1024

【Mail】 kinoshita.koya1024@gmail.com

【HP】 https://www.keiba-latinamerica.com/

Koya Kinoshita

スペイン語通訳

スペイン競馬と中南米競馬を隅々まで紹介&徹底解説する『南米競馬情報局』の運営者です。

全国通訳案内士というスペイン語の国家資格を所持しています。

東京在住のインドア派。モスバーガーとミスタードーナツが好きです。

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