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アルゼンチン大統領選の影響で11月19日のGⅠダルド・ロチャが12月2日に延期予定

 毎年11月19日、アルゼンチンのラ・プラタ競馬場では同競馬場最大の競走GⅠダルド・ロチャ(ダ2400m - 3歳以上)が行なわれる。『ダルド・ロチャ』はラ・プラタ競馬場があるラ・プラタ市の創設者の名前であり、『11月19日』はラ・プラタ市の創設記念日である。


 しかし、今年のGⅠダルド・ロチャは開催延期を強いられることになりそうだ。


 10月22日、アルゼンチンで大統領選挙が行なわれた。セルヒオ・マッサ候補、ハビエル・ミレイ候補、パトリシア・ブルリッチ候補、フアン・スキアレッティ候補、ミリアム・ブレグマン候補の5名で争われた。投票の結果、得票率36.24%でセルヒオ・マッサ候補が当選した。



 しかし、アルゼンチン大統領選の規則では、当選する候補者は少なくとも有効票の45%を獲得するか、有効票の40%を獲得かつ2位の候補者との差が10%以上であることのいずれかが求められる。


 得票率36.24%セルヒオ・マッサ候補は、得票率が45%を超えていないだけでなく、得票率30.22%で2位となったハビエル・ミレイ候補との差も10%以上開いていない。そのため、マッサ候補とミレイ候補による決戦投票(balotaje)が行なわれることとなった。


 決戦投票は11月19日に行なわれる予定である。この投票の勝者が、12月10日に新しいアルゼンチン大統領として就任する。


 つまり、GⅠダルド・ロチャの開催日と決戦投票の実施日がバッティングした。国の未来を決める大統領選の同日に競馬開催をぶつけることはできないため、ダルド・ロチャが行なわれる11月19日のラ・プラタ競馬場開催は、12月2日に延期される見込みである。


 しかし、12月16日にサン・イシドロ競馬場で行なわれる南米最大のGⅠ競走カルロス・ペジェグリーニ(芝2400m - 3歳以上)との間隔が短くなってしまうことが懸念されており、延期日については確定ではない。



 ダルド・ロチャが11月19日以外の日付で開催されるのは、2018年以来5年ぶりである。このときは、ARAサン・フアン号というアルゼンチン海軍の潜水艦が沈没したことを受け、国全体で喪に服すことが決まったため、開催が12月2日に延期された。


 また、アルゼンチンの競馬開催がストライキとシステムエラー以外で延期になるのは、2022年12月18日のパレルモ競馬場開催以来である。このときは、サッカー・ワールドカップの決勝戦とパレルモ競馬場開催が重なったため、競馬開催が延期になった。





Koya Kinoshita

スペイン語通訳

スペイン競馬と中南米競馬を隅々まで紹介&徹底解説する『南米競馬情報局』の運営者です。

全国通訳案内士というスペイン語の国家資格を所持しています。

東京在住のインドア派。モスバーガーとミスタードーナツが好きです。

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