
木下 昂也(Koya Kinoshita)
アグネスゴールド・ブーム到来か?GⅠ2勝のオルフェネグロが香港に売却

写真:Jockey Club Brasileiro https://www.jcb.com.br/home/noticias/296213/orfeu-negro-brilha-no-gp-jockey-club-brasileiro-g1/
二度も種牡馬失格の烙印を押され、とうとうブラジルまで流された日本のアグネスゴールドだが、世界がようやくその血の偉大さに気づいたのかもしれない。
今年、GⅠ馬クーロエカミーチャ(Culo E Camicia)と実績馬オリンピックコルチノイ(Olympic Korchnoi)という2頭のアグネスゴールド産駒が香港に移籍した。だが、アグネスゴールド産駒の移籍はこれで終わりではなかった。
ブラジル・ジョッキークラブによると、アグネスゴールド産駒のGⅠ2勝馬オルフェネグロ(Orfeu Negro)が香港の馬主に売却され、香港で競走生活を送ることになった。購入者や価格などはまだ公表されていない。
オルフェネグロは父アグネスゴールド、母ヴァレーヴュー、その父ワイルドイヴェントという血統の3歳牡馬。2018年8月16日にブラジルのエテルナメンチ・ヒオ牧場で産まれた。半兄にはブラジルGⅢを勝ったキロン(Quiron)、遠戚にはブラジル3冠馬でアメリカでもGⅠを勝ったバルアバリ(Bal A Bali)がいる。
今年2月21日に競走馬としてデビューすると、未勝利馬ながら挑んだ3戦目のGⅠジョッキークルブ・ブラジレイロ(芝1600m - 2歳)を優勝し、2020/21シーズンのブラジル最優秀2歳牡馬の候補となった。3歳初戦となった前走はサンパウロ4冠競走の1戦目GⅠイピランガ(芝1600m - 3歳)に出走し、2着に6 1/4馬身の差をつけて快勝した。通算成績は5戦2勝(重賞2勝)。
今回の移籍には2つの背景が大きく影響していると考えられる。
1つ目は、ブラジルの有力馬は海外に移籍するという一般的な背景。現在ブラジルの有力馬はほとんどアグネスゴールド産駒が占めているため、有力馬を購入する=アグネスゴールド産駒を購入するということになる。
2つ目は、アグネスゴールド産駒がアメリカで活躍しているという背景。アルゼンチンから移籍したイバール(Ivar)は昨年GⅠシャドウェル・ターフ・マイルを優勝した。今年もイバールと同厩・同馬主のインラヴ(In Love)がケンタッキー・ダウンズ競馬場で行なわれたリステッド競走TVG2Sを優勝した。4月にもウルグアイから移籍したヴェスパ(Vezpa)が白星をあげている。アグネスゴールドは今や競馬先進国で戦える種牡馬である。
オルフェネグロの香港デビューはおそらく来年になるだろう。だが、今からその走りが楽しみである。新しい情報は入り次第お伝えする。
■ ジョッキークルブ・ブラジレイロ
■ イピランガ
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