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新種牡馬キャメロットキトゥン産駒のサンオブヒルがGⅠエンヒキ・ヂ・トレード・ララを勝利


サンオブヒル(Sun Of Hill)
写真:Jockey Club de São Paulo / Porfírio Menezes http://www.jockeysp.com.br/corridas/news_mostra.asp?id=16460

 10月8日、ブラジルのサンパウロにあるシダーヂ・ジャルヂン競馬場でGⅠエンヒキ・ヂ・トレード・ララ(芝1800m - 3歳牝馬)が行なわれた。サンパウロ牝馬4冠競走の2戦目になっている。


 今年は8頭で争われた。ハットトリック産駒のGⅠ馬オムニポンテット(Omnipontet)は、登録段階では名前があったが、結局回避した。


 ⑤フォーフライング(For Flying)が単勝1.80倍で圧倒的な1番人気に支持された。1冠目のGⅠバラン・ヂ・ピラシカーバ(芝1600m - 3歳牝馬)の勝ち馬である。


 なお、フォーフライングは南アフリカのメアリー・スラック女史に売却された。牝馬2冠目のこのレースと、3冠目のGⅠヂアナ(芝2000m - 3歳牝馬)までブラジルで走り、その後は南アフリカへ渡ることが決まっている。





 6.30倍で2番人気となったジョアン・モレイラ騎手が跨る④クルスドイグアス(Q'luz Do Iguassu)は、なんとこれが初出走。半姉がGⅠ馬プンタドイグアス(Punta Do Iguassu)という良血馬である。



 ①ムーヴィーマジック(Movie Magic)が引っかかりながら先頭に立ったが、③サンオブヒル(Sun Of Hill)が外から上がっていってハナを切った。1番人気のフォーフライングは、操縦に苦労しながら3番手を追走した。


 直線に入っても伸びてくる馬はおらず、各馬が横一線となった。後続がモタモタしている隙を突き、ジョゼー・セヴェーロ騎乗の4番人気サンオブヒルが差を2番手以下との広げ、3 1/2馬身差の逃げ切り勝ちをおさめた。重馬場の勝ちタイムは1分50秒29。


 鞍上のジョゼー・セヴェーロ騎手は、前日にアルゼンチンのサン・イシドロ競馬場で行なわれるた南米選手権GⅠラティーノアメリカーノ(芝2000m - 4歳以上)を、アグネスゴールド産駒のドウトールスレーニョ(Doutor Sureño)で勝利したばかりである。レース後に急いでブラジルに帰国し、2日連続のGⅠ制覇を成し遂げた。




 2着には、後方から内を抜けた7番人気の⑦リテラトゥーラ(Literatura)が入った。3着は最低人気の②ナオンパラナオン(Não Para Não)だった。


 圧倒的1番人気だったフォーフライングは、終始暴走して7着と大敗した。2番人気のクルスドイグアスは、そのフォーフライングの暴走による斜行で躓き、最下位の8着に沈んだ。



 サンオブヒルは父キャメロットキトゥン、母ポジターノ、その父ファーストアメリカンという血統の3歳牝馬。2020年8月17日にブラジルのモーホ牧場で産まれた。半姉には、GⅢを勝ったハットトリック産駒のロイヤルプレスティージ(Royal Prestige)がいる。


 2023年5月5日にデビューし、2戦目で初勝利をあげた。2歳時は3戦1勝という成績だった。


 3歳の出だしは苦しんだ。始動戦となったリステッド競走で6着、GⅠマルガリーダ・ポラーク・ララ(芝1600m - 3歳牝馬)で6着、GⅢで2着と、3戦して白星をあげることができなかった。しかし、GⅠエンヒキ・ヂ・トレード・ララの前哨戦となった前走のリステッド競走を3馬身差で快勝すると、連勝でいっきにGⅠ馬まで上り詰めた。通算成績は8戦3勝(重賞1勝)。


 父のキャメロットキトゥンは、2019年からブラジルで種牡馬として供用されている。サンオブヒルが属す2020年産馬(現3歳)が初年度にあたり、これが産駒のGⅠ初制覇となった。


 怪我や外国への売却がなければ、次走は11月11日にシダーヂ・ジャルヂン競馬場で行なわれる牝馬4冠競走の3戦目、サンパウロのオークスにあたるGⅠヂアナになるだろう。




Koya Kinoshita

スペイン語通訳

スペイン競馬と中南米競馬を隅々まで紹介&徹底解説する『南米競馬情報局』の運営者です。

全国通訳案内士というスペイン語の国家資格を所持しています。

東京在住のインドア派。モスバーガーとミスタードーナツが好きです。

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