
木下 昂也(Koya Kinoshita)
アグネスゴールド、この世に別れを告げた年にブラジルで種牡馬リーディングを獲得
本文は、チリの競馬メディア『エル・トゥルフ(El Turf)』に掲載された "En el año de su fallecimiento, Agnes Gold terminó al tope de ambas estadísticas en Brasil" を翻訳・一部改変したものになります。

2021年、サンデーサイレンスの継承者が獲得賞金額において全体の種牡馬リーディングと世代別(2018年世代)の種牡馬リーディングを2年連続で獲得した。
アグネスゴールドの繁殖実績がまさに終焉を迎えようとしていたとき、彼がどのようにして種牡馬として最高の表現者になることができたかについては、これまでたくさん書かれてきた。アグネスゴールドがブラジルの種牡馬リーディングを総なめにした2021年の数字にも、そのことが反映されている。
アグネスゴールドはブラジルでの種牡馬生活で数世代を残したが、2017年と2018年の産駒が大活躍したことにより、種牡馬としての頂点の座を確固たるものとした。
アグネスゴールドは、今は亡きエストレーラ・エネルジーア牧場によって2009年からブラジルに導入された。ブラジル(カリオカ)牝馬3冠競走の第1戦目であるGⅠエンヒキ・ポソーロを優勝したアントネッラベイビー、第3戦目であるGⅠゼリア・ゴンザーガ・ペイショット・ヂ・カストロを優勝したアビジャンなど、早くもブラジル初年度産駒から活躍馬が現れた。
2013年にはエネルジーアフリビーがGⅠヂアナを、2017年と18年にはサイレンスイズゴールドがGⅠマルガリーダ・ポラーク・ララとGⅠヂアナを勝利した。競走馬としての能力も高かった日本の種牡馬は、フィリーサイアーとしての地位を固めた。2020年、マイスキボニータ(Mais Que Bonita)がGⅠエンヒキ・ポソーロとGⅠヂアナを制し、牝馬3冠達成にあと一歩のところまで迫った。※3冠目のGⅠゼリア・ゴンザーガ・ペイショット・ヂ・カストロは2着。
2015年にエストレーラ・エネルジーア牧場が解散すると、アグネスゴールドはブラジルの生産者たちに共同購入されて拠点を移した。サンデーサイレンスの息子はそこで種牡馬として最後の爆発を見せた。
2021年9月、アグネスゴールドは右上腕骨完全骨折のため安楽死を強いられた。23歳だった。種牡馬成績は絶頂期にあった。2021年は娘のジャネールモネイがブラジル(カリオカ)牝馬3冠を成し遂げるという大記録を味わった。
オリンピッククレムリンはブラジルのダービーにあたるGⅠクルゼイロ・ド・スルの勝ち馬。クーロエカミーチャも牡馬2冠目のGⅠフランシスコ・エドゥアルド・イ・リンネオ・エドゥアルド・ヂ・パウラ・マシャードを勝った。オルフェネグロとオリンピックラスパルマスも、2021年にアグネスゴールドが競馬場に送りこんだ活躍馬として名前を挙げられる。
2021年1月1日から2021年12月31日までに、138頭のアグネスゴールド産駒がブラジルで出走し、うち88頭が勝ち星をあげた。重賞は23勝し、GⅠは8勝である。
全体のランキングを見ると、1位のアグネスゴールドは255万4068レアルを獲得した。これは2位のワイルドイヴェント(118万7163レアル)に倍以上もつける圧倒的な差となっている。世代別のランキングではその差は縮まったが、2位のドロッセルマイヤーが54万6949レアルに対し、1位のアグネスゴールドは66万8114レアルだった。
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木下 昂也(Koya Kinoshita)
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