• 木下 昂也(Koya Kinoshita)

13番人気の伏兵ノーティラスがGⅠブラジルを勝利。BCターフの優先出走権と結婚指輪を手に入れる


ノーティラス(Nautilus)
写真:Jockey Club Brasileiro https://www.jcb.com.br/home/noticias/347181/nautilus-o-heroi-do-gp-brasil-g1-2022/

 6月26日、ブラジルのガヴェア競馬場で第90回GⅠブラジル(芝2400m - 3歳以上)が行なわれた。ブラジル競馬でもっとも重要なレースであり、勝ち馬にはBCターフの優先出走権が与えられる。


 ハットトリック産駒の⑨タリン(Tarin)が取り消し、今年は14頭で争われた。GⅠサンパウロを女性騎手ジーン・アルヴェスで制した⑦ホショテーハ(Roxoterra)、リオデジャネイロで重賞4勝の①オスプレイ(Osprey)、今年のダービー馬⑭シュガーダディー(Sugar Daddy)、昨年のダービー馬⑪オリンピッククレムリン(Olympic Kremlin)、ブラジル3冠競走の2冠目GⅠフランシスコ・エドゥアルド・イ・リンネオ・エドゥアルド・ヂ・パウラ・マシャーヂ(芝2000m - 3歳)を勝利した⑩オンライン(Online)、GⅡドウトール・フロンチンで逃げ切り勝ちをおさめた3歳馬⑧ジョレル(Jorel)など、国内最大の競走にふさわしいメンバー構成となった。シュガーダディーが4.5倍の1番人気に支持された。


 ④ジャンピングフライト(Jumping Flight)がハナを切り、馬群は縦長となった。2番手にいた⑥オリンピックジャスティン(Olympic Justin)が向こう正面で早々に脱落すると、3コーナーから4コーナーにかけてジョレルとオリンピッククレムリンが先頭をうかがった。直線では前を行く3頭を外から③ドンカンバイ(Don Cambay)が交わしたが、道中は後方の内で黙っていたフベルレイ・ヴィアーナ騎乗の⑫ノーティラス(Nautilus)が内から抜け出し、ドンカンバイをクビ差差し切って勝利した。14頭立ての13番人気という伏兵も伏兵だった。稍重の勝ちタイムは2分30秒81。3着は後方3番手から追い込んだアトミックハイツだった。


 ノーティラスは父ドロッセルマイヤー、母ナマステ、その父ポイントギヴンという血統の3歳牡馬。2018年8月5日にブラジルのキンテーラ牧場で産まれた。2021年のABCPCCセールでニコラス・ジャルッシ氏とヴァレンチン牧場のグループに購入された。


 2021年4月3日にサンパウロのシダーヂ・ジャルディン競馬場でデビューし、3戦目で初勝利をあげた。5戦目の2歳GⅢアンテノール・ヂ・ララ・カンポスを2着入線から繰り上がりで勝利し、重賞初制覇をおさめた。昨年のサンパウロ3冠競走は3着、2着、8着とあと一歩届かず。今年に入ってからも重賞勝ちはなく、前走のGⅠサンパウロでは5着に敗れていた。通算成績は17戦6勝(重賞2勝)。


 鞍上のフベルレイ・ヴィアーナ騎手、管理するニルソン・リマ調教師はGⅠブラジル初勝利である。馬主の1人であるエンリコ・ジャルッシ氏は心臓を押さえながら優勝の興奮を味わい、芝に寝転んで喜びを表した。レース後、彼はコース上で恋人にプロポーズした。その様子は YouTube で見ることができる。


 父ドロッセルマイヤーにとってノーティラスが7頭目の南米GⅠ馬となる。ブラジルGⅠ馬としては5頭目でブラジル競馬最大の勲章を手に入れた。また、ポイントギヴンの血を持つ馬が南米のGⅠ競走を優勝するのはこれが初めてである。


 ノーティラスにはBCターフの優先出走権が与えられたが、現時点で権利を行使するか否かは不明である。




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木下 昂也(Koya Kinoshita)

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