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ハットトリック産駒の未勝利馬ラダリオが繰り上がりでGⅠジョアン・アデマール・ヂ・アルメイダ・プラードを勝利


ラダリオ(Ladário)
写真:Jockey Club Brasileiro https://www.jcb.com.br/home/noticias/353070/vitoria-de-ladario-apos-desclassificacao-de-london-moon-no-gp-j-adhemar-de-almeida-prado-g1/

 8月7日、ブラジルのガヴェア競馬場でGⅠジョアン・アデマール・ヂ・アルメイダ・プラード(芝1600m - 3歳)が行なわれた。ブラジルで最初の3歳牡馬GⅠである。


 4戦4勝でGⅠジョッキークルブ・ブラジレイロを勝利し、2021/22シーズンのブラジル最優秀2歳牡馬に選ばれたアグネスゴールド産駒の⑤ロンドンムーン(London Moon)に大きな注目が集まった。メンバー構成はそのときとほぼ同じであるため、状態さえ問題なければ勝利は確実と思われた。単勝オッズは1.2倍まで下がった。


 2着だった④ロイヤルティー(Loyalty)、3着だった①ヌレイエフボーイ(Nureyev Boy)、4着だった⑨トゥーサーウィズラヴ(To Sir With Love)が逆転を狙って出走した。



 ヌレイエフボーイがハナを切り、2番手にロイヤルティーがつけた。ロンドンムーンも絶好の3番手を追走した。


 直線ではロンドンムーンが抜け出してそのまま押し切るかと思われた。しかし、道中は後方2番手にいた⑧ラダリオ(Ladário)が驚異的な末脚で迫ってきた。ゴール前は2頭が馬体を並べての接戦となり、わずかの差でロンドンムーンが1着でゴール板を駆け抜けた。


 と思われたが、ラダリオに騎乗していたブルーノ・ケイロス騎手から異議申し立てが入り、ゴール前でロンドンムーンの斜行による接触があったことが裁決に認められた。1着と2着の着順が入れ替わり、ブルーノ・ケイロス騎手の7番人気ラダリオの勝利で確定した。良馬場の勝ちタイムは1分33秒27。ロンドンムーンはキャリア5戦目にして初黒星を喫した。



 ラダリオは父ハットトリック、母ノッティングトゥモロー、その父アラゴーンという血統の3歳牡馬。2019年10月3日にブラジルのサンタ・ヒタ・ダ・セハ牧場で産まれた。半兄にはGⅠ馬ジャクソンポロック(Jackson Pollock)がいる。


 ラダリオは未勝利馬である。2022年3月20日のデビューは3着、2戦目は2着と敗れた。伏兵も伏兵だったハットトリック産駒が、アグネスゴールド産駒の最優秀2歳牡馬を破る大金星をあげた。通算成績は3戦1勝(重賞1勝)。


 ラダリオの勝利が父ハットトリックにとって通算10回目の南米GⅠ勝利となった。内訳はアルゼンチン5勝、ブラジル4勝、ウルグアイ1勝である(※このレース後のGⅠマルガリーダ・ポラック・ララも産駒が勝利して現在は11勝)。昨シーズンは最優秀種牡馬にもノミネートされており、南米大陸で着実に結果を残している。




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木下 昂也(Koya Kinoshita)

【Twitter】 @koyakinoshita24

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【Mail】 kinoshita.koya1024@gmail.com

【HP】 https://www.keiba-latinamerica.com/

Koya Kinoshita

スペイン語通訳

スペイン競馬と中南米競馬を隅々まで紹介&徹底解説する『南米競馬情報局』の運営者です。

全国通訳案内士というスペイン語の国家資格を所持しています。

東京在住のインドア派。モスバーガーとミスタードーナツが好きです。

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