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2歳馬マンドレイクがGⅠマジョール・ズッコーで大金星をあげる


マンドレイク(Mandrake)
写真:Jockey Club Brasileiro / Sylvio Rondinelli https://jcb.com.br/home/noticias/394026/no-gp-major-suckow-g1-haras-niju-a-magia-de-mandrake/

 6月17日、ブラジルのリオデジャネイロにあるガヴェア競馬場でGⅠマジョール・ズッコー(芝1000m - 2歳以上)が行なわれた。サンパウロのGⅠABCPCCは直線1000mだが、こちらはコーナーありの1000mで開催される。


 今年は10頭で争われた。③オリアーナドイグアス(Oriana Do Iguassu)が圧倒的な1番人気に支持された。通算成績は11戦10勝。現在5連勝中であり、5月6日にはサンパウロのGⅠABCPCCを連覇した。ブラジル短距離路線では絶対的な存在であるが、キャリア唯一の黒星が昨年のこのレースだったことは不安材料である。


☞☞☞ オリアーナドイグアスが直線競馬8連勝でGⅠABCPCCを連覇

 残る9頭の実力は団子である。2歳馬も3頭出走した。前哨戦であるGⅢイポドロモ・ダ・ガヴェアの勝ち馬⑦ラヴタッチ(Love Touch)と、僅差の2着だった⑨ヘイヂモナコ(Rey De Mônaco)の3歳馬はどこまでオリアーナドイグアスに迫れるか。



 ジョアン・モレイラ騎乗のオリアーナドイグアスが好スタートを決めてハナを切った。このまま独走するかと思われたが、直線でヴァルヂネイ・ジル騎乗の2歳馬⑤マンドレイク(Mandrake)が外から必死に追い上げてきた。この2頭による激しい叩き合いとなり、この争いをマンドレイクがアタマ差制して優勝した。良馬場の勝ちタイムは55秒21。


 レース直後、オリアーナドイグアスの鞍上ジョアン・モレイラ騎手からマンドレイクの斜行に対して異議申し立てがあった。パトロールカメラの映像を見ると、確かに2頭は残り20m地点でぶつかっている。しかし、不利になるほどの接触ではないと判断され、訴えは却下されて着順は到達順位のとおり確定した。


 2頭から4 1/2馬身も離れた3着は②アンオーソドックス(Unorthodox)だった。



 マンドレイクは父タイガーハート、母コンドレーザ、その父マチョウノという血統の2歳牡馬。2020年7月2日にブラジルのサンタ・ヒタ・ダ・セハ牧場で産まれた。2着のオリアーナドイグアス、3着のアンオーソドックスもタイガーハート産駒であり、同産駒によるワンツースリー決着となった。


 2023年1月22日にクリスタル競馬場で行なわれた第55回トゥルフィ・ガウーショでデビューして3着となった。3月12日にはガヴェア競馬場で行なわれた超高額賞金2歳戦ABCPCCカップに出走し、後のGⅠ馬フィガロ(Fígalo)の3着に入った。


 3戦目となった4月30日の前走で未勝利を脱出。キャリア3戦1勝の2歳馬としてGⅠマジョール・ズッコーに格上挑戦し、短距離の絶対女王を倒す大金星をあげた。通算成績は4戦2勝(重賞1勝)。


 一方、まさかの敗北を喫したオリアーナドイグアスは、2022年9月から続いていた連勝が5でストップした。昨年もこのレースで3着に敗れており、今年も鬼門を突破できなかった。



Koya Kinoshita

スペイン語通訳

スペイン競馬と中南米競馬を隅々まで紹介&徹底解説する『南米競馬情報局』の運営者です。

全国通訳案内士というスペイン語の国家資格を所持しています。

東京在住のインドア派。モスバーガーとミスタードーナツが好きです。

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