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サマーセットがレースレコードでサンパウロ牡馬4冠競走の初戦GⅠイピランガを優勝


サマーセット(Summerset)
写真:Jockey Club de Sao Pãulo / Porfírio Menezes http://www.jockeysp.com.br/corridas/news_mostra.asp?id=15416

 9月2日、ブラジルのサンパウロにあるシダーヂ・ジャルヂン競馬場でGⅠイピランガ(芝1600m - 3歳)が行なわれた。サンパウロ牡馬4冠競走の初戦になる。


 今年は10頭で争われた。GⅠジョアン・アデマール・ヂ・アルメイダ・プラード(芝1600m - 3歳)の勝ち馬ラックイズバック(Luck Is Back)は、2000m路線に備えるため出走せず。6戦6勝と無敗のキザール(Quisar)も回避した。


☞☞☞ ラックイズバックが無傷の3連勝でGⅠジョアン・アデマール・ヂ・アルメイダ・プラードを優勝

 ハットトリック産駒の⑦フィガロ(Fígaro)が注目された。2022/23シーズンのブラジル最優秀2歳牡馬である。3歳初戦となった前走のGⅠジョアン・アデマール・ヂ・アルメイダ・プラードでは2着に敗れたが、1度叩いた今回は本調子で挑めるだろう。


 ③ザラストエンペラー(The Last Emperor)は、ブラジルでもっとも重要な2歳戦であるGⅠジョッキークルブ・ブラジレイロ(芝1600m - 2歳)を優勝した。前走のGⅠジョアン・アデマール・ヂ・アルメイダ・プラードでは5着。体勢を立て直して巻き返しを狙う。


☞☞☞ 伏兵ザラストエンペラーがGⅠジョッキークルブ・ブラジレイロを勝ってブラジル2歳王者候補に


 外から⑩レミーマルタン(Remy Martin)が飛び出してハナを切った。2番手には引っかかりながら⑧コンパニェイロレアル(Companheiro Leal)が追走し、この2頭が後ろをやや離した。フィガロは折り合いに苦労しながら3番手集団の外につけ、ザラストエンペラーは中団に控えた。


 直線に入ると、好位にいた①オバターイェ(Obataye)が抜け出そうとした。しかし、道中は最後方にいたヴァルヂネイ・ジル騎乗の5番人気サマーセット(Summerset)が、直線で大外からものすごい末脚で飛んでくると、前の馬たちをあっという間に飲みこんで4 1/2馬身差の快勝をおさめた。


 良馬場の勝ちタイムは1分32秒50。これは2003年にネレオ(Néleo)が出した1分32秒65を上回るレースレコードである。


 4 1/2馬身差の2着には追いこんだ7番人気の④ミスターマン(Mr. Man)が入った。3着は3番人気のオバターイェ(Obataye)だった。


 ザラストエンペラーは4着まで。フィガロは10頭立ての最下位に敗れた。勝ち馬から28馬身、9着から8馬身も離されており、何かアクシデントがあったのかもしれない。



 サマーセットは父セテンブロショーヴィ、母マージェリー、その父アグネスゴールドという血統の3歳牡馬。2020年7月17日にブラジルのチェサピーク牧場で産まれた。近親には、日本で繁殖牝馬をしているGⅢ馬インドリヤ(Indriya)がいる。


 2023年5月26日にタルマン競馬場でデビューし、これを白星で飾った。6月24日にはシダーヂ・ジャルヂン競馬場の1500m戦に出走して勝利した。2歳時は2戦2勝だった。


 前走のGⅠジョアン・アデマール・ヂ・アルメイダ・プラードでは、2着のフィガロと差のない4着だった。有力馬ラックイズバックが不在の隙を突き、レースレコードのおまけつきで重賞初勝利をGⅠの舞台で飾った。通算成績は4戦3勝(重賞1勝)。


 なお、母の父であるアグネスゴールドは、これが母父としてGⅠ初勝利となった。




Koya Kinoshita

スペイン語通訳

スペイン競馬と中南米競馬を隅々まで紹介&徹底解説する『南米競馬情報局』の運営者です。

全国通訳案内士というスペイン語の国家資格を所持しています。

東京在住のインドア派。モスバーガーとミスタードーナツが好きです。

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