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サンパウロの競馬が緊急事態!サンパウロ州議会が賭けをともなう競馬開催の禁止を要求

 サンパウロ市議会が本気で競馬産業を潰しにきた。


 2022年11月、サンパウロ市議会議員のミルトン・レイチ氏とホドリゴ・グラート氏は、サンパウロ・ジョッキークラブ(シダーヂ・ジャルヂン競馬場)の土地の一部を収用し、その跡地に公園を建設するという法案を提出した。


 法案は可決された。しかし、サンパウロ市が収用予定地帯を公益エリアに設定し直し、公園建設計画を立案しなければならないため、収用はまだ実行されていない。しかし、近い将来、競馬場の一部が公園になることは確実視されている。公園には、ブラジルの教育向上に多大なる貢献をし、2022年に亡くなったジョアン・カルロス・ヂ・ジェニオ氏の名前がつけられることがすでに規定されている。





 しかし、サンパウロ市議会は収用だけでは満足しなかったようだ。彼らはまたもやサンパウロ・ジョッキークラブに対して挑戦状を叩きつけた。


 11月22日、市議会はサンパウロ市内で開催される競馬に対して賭けを禁止する法案(条例)を提出し、これが満場一致で可決された。「サンパウロ市内で開催される競馬」とは、もちろんシダーヂ・ジャルヂン競馬場のことを意味する。ブラジルの日刊紙『オ・グローボ(O Globo)』には、「このプロジェクトに対する投票時間は1分にも満たず、満場一致で可決された(O projeto foi aprovado por unanimidade, em votação que durou menos de um minuto.)」と、議会がいかに団結しているかが書かれている。


※法案は、競馬だけでなく、動物を利用したギャンブル全般の禁止を求めている。


 法案を草案したシェシェウ・トリポリ市議は、「私の法案の目的は、人々が人間の娯楽のため、ましてやギャンブルのために動物を利用するのを止めることにある」と説明した。法案は2回目の投票を通過すれば正式に承認される。


 ブラジルの日刊紙『メトロポリス(Metrópoles)』によると、もしこの法案が成立した場合、サンパウロ・ジョッキークラブは6ヶ月以内に活動を停止しなければならないという。違反した場合は、警告や罰金といった処分が科せられ、最終的には営業停止を強いられる。


※シェシェウ・トリポリ市議は、サンパウロ市内でのプラスチックストローの使用禁止や、レストランに対して浄水した水を客に無料で提供することを義務づける規則を作成した環境派の人物である。



 市議会の動きに対して、当然のことながらサンパウロ・ジョッキークラブは猛反発している。ジョッキークラブ側の弁護士を務めるジョゼー・マウロ・マルキス氏によると、まずは2回目の投票の結果を待ち、もし法案が承認されれば、司法に訴える意向を明らかにした。


「この問題に関して、自治体が立法化をする権限はない。なぜなら、競馬は連邦政府の管轄だからだ。法案の中で動物虐待を懸念しているとあるが、我々は虐待の懸念を抱いていない。馬は獣医師の管理の下で充分に世話をされている。少なくとも、自治体が生活困窮者に対して与えている福祉サービスと比較すると、競馬場にいる馬のほうがはるかにケアされている。『よっぽどはるかに』だ」と、弁護士は反論した。


 2回目の投票がいつ行なわれるかは未定である。仮に、競馬への賭けを禁止する今回の法案が正式承認されたとしても、即施行されるわけではないだろう。ジョッキークラブ側は司法に訴えるだろうし、市議会側とジョッキークラブ側は長年にわたって負債や税金の支払いで揉めており、いまだに裁判所で争っている事案を抱えている。


 ちなみに、ブラジルではすでに闘鶏と闘犬は法律で禁止されている。

Koya Kinoshita

スペイン語通訳

スペイン競馬と中南米競馬を隅々まで紹介&徹底解説する『南米競馬情報局』の運営者です。

全国通訳案内士というスペイン語の国家資格を所持しています。

東京在住のインドア派。モスバーガーとミスタードーナツが好きです。

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