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エルデフロイスがレース史に残る叩き合いを制して中米古馬王者の座を手に入れる

 12月11日、ベネズエラのラ・リンコナーダ競馬場で中米選手権コパ・コンフラテルニダー・デル・カリベ(ダ2000m - 3歳以上)が行なわれた。中米・カリブ海地域の最強古馬を決める戦いである。


 ベネズエラダ代表4頭、パナマ代表3頭、ドミニカ代表2頭、メキシコ代表1頭、プエルトリコ代表1頭の計11頭で争われた。


 昨年の覇者でメキシコ王者の⑨エルサント(El Santo)が連覇を狙う。ベネズエラ最大の競走GⅠシモン・ボリーバルを制した⑧ダニエロルド(Danierold)が地元の大将格として外国馬を迎え撃つ。5連勝でGⅠを制したプエルトリコの⑤エルサルセーロ(El Salsero)は鞍上にイラッド・オルティス騎手を迎えた。



 ドミニカ代表の①カデーテ(Cadete)がハナを切り、パナマ代表の③ソルドラード(Sol Dorado)とベネズエラの3冠牝馬⑦サンドバレーラ(Sandovalera)が2番手につけた。注目どころでは、エルサルセーロが4番手、ダニエロルドが中団やや後ろを追走し、エルサントはいつものように後方で待機した。


 3コーナーをすぎてサンドバレーラが先頭に立つと、いっきにレースが動いた。ベネズエラ代表の⑪エルデフロイスが中団から進出して直線の入口で先頭に立ち、エルサントも後方からまくりを決めて先頭をうかがった。


 ここからレース史に残る激戦となる。エルデフロイスとエルサントが200m以上におよぶ叩き合いを繰り広げた。この争いをホセ・ルイス・オルティス騎乗のエルデフロイスがわずかハナの差で制して優勝した。良馬場の勝ちタイムは2分3秒80。


 エルサントは惜しくも連覇を逃しての2着。そこから8馬身もはなれた3着がパナマのエルツァール(El Tzar)だった。シモン・ボリーバルの勝ち馬ダニエロルドは7着に沈んだ。


「ブラボーな馬である。エルサントが迫ってきてからの反応は素晴らしかった。乗せてくれた馬主と調教師に感謝したい。満員の競馬場でベネズエラの馬に乗って勝つことができてとても嬉しい」と、鞍上のホセ・オルティス騎手は述べた。


 ホセ・オルティス騎手はコパ・ベロシダーのフトゥーロ(Futuro)に続いて中米選手権2勝目となった。計6レース行なわれる中米選手権のうち、5レースをオルティス兄弟が制した。



 エルデフロイスは父キングセラフ、母ガセルダ、その父ワイルドワンダーという血統の5歳牡馬。2017年5月10日にベネズエラのラ・オルリャーナ牧場で産まれた。


 2020年7月5日にデビューし、3戦目で初勝利をあげた。3歳時はこの1勝のみに終わるが、4歳になって急成長。2021年9月5日のGⅠジョッキークラブ・デ・ベネスエラを勝利してGⅠ馬の仲間入りを果たした。


 今年の前半は2,3着地獄に泣いたが、8月22日にGⅠインビタシオナル・デル・カリベを勝利した。前走のGⅠシモン・ボリーバルではダニエロルドの5着に敗れたが大舞台で逆転。エルサントとの壮絶な叩き合いを制し、ベネズエラに中米古馬王者のタイトルをもたらした。通算成績は24戦9勝(重賞3勝)。




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木下 昂也(Koya Kinoshita)

Twitter : @koyakinoshita24

Instagram : @kinoshita_koya1024

Mail : kinoshita.koya1024@gmail.com

HP : https://www.keiba-latinamerica.com/

Koya Kinoshita

スペイン語通訳

スペイン競馬と中南米競馬を隅々まで紹介&徹底解説する『南米競馬情報局』の運営者です。

全国通訳案内士というスペイン語の国家資格を所持しています。

東京在住のインドア派。モスバーガーとミスタードーナツが好きです。

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