• 木下 昂也(Koya Kinoshita)

牝馬イナダマスがGⅠエル・エンサージョでまたも牡馬を撃破


写真:Haras Don Alberto(@HarasDonAlberto) https://twitter.com/HarasDonAlberto/status/1454967024975683584

 10月31日、チリのサンティアゴ競馬場でGⅠエル・エンサージョ(芝2400m - 3歳)が行なわれた。1873年から開催されているチリでもっとも歴史のあるレースであり、チリ3冠競走の1戦目でもある。


 第149回となる今年は14頭で争われた。前走のGⅠナシオナル・リカルド・リオン(芝2000m - 3歳)で牡馬を撃破したイナダマス(Y Nada Más)、無傷の4連勝で2歳GⅠアルベルト・ビアル・インファンテ(芝1600m - 2歳)を制したロイヤルラック(Royal Luck)、GⅠポージャ・デ・ポトリージョス(芝1700m - 3歳)を勝ったフィグレッティ(Figureti)、ダートGⅠ2000ギニー(ダ1600m - )3歳勝ち馬であるリオデロスシエルボス(Río De Los Ciervos)など、3歳の有力馬がそろった。


 レースは⑨ソーニョディカンピオーネ(Sogno Di Campione)がハナを切り、先頭から最後尾まで30馬身ほど離れた縦長の馬群となった。直線の入り口で2番手につけていた①ススピラミアモール(Suspira Mi Amor)が先頭に立つと、最内から⑧ネヌファールアスール(Nenufar Azul)が抜け出した。2頭の争いとなったところに、道中は後方3,4番手に控えていたオスカル・ウジョア騎乗の1番人気④イナダマスが、大外から目の覚めるような末脚で伸びてきて2頭を差し切った。良馬場の勝ちタイムは2分27秒41。1 1/4馬身差の2着にゴンサロ・ウジョア騎乗のネヌファールアスールが入り、騎手の兄弟ワンツー。さらに、3着にはススピラミアモールが入ったことで、ドン・アルベルト牧場の所有馬によるワンツースリー決着となった。


 イナダマスは父コンスティテューション、母ジャノマス、その父プラウドシチズンという血統の3歳牝馬。2018年10月22日にチリのドン・アルベルト牧場で産まれた。


 デビュー前から素質馬として注目を集め、期待どおりデビューから無傷の3連勝で重賞を2勝した。だが、GⅠアルトゥーロ・リオン・ペーニャ(芝1600m - 2歳牝馬)、GⅠポージャ・デ・ポトランカス(芝1700m - 3歳牝馬)では2着に敗れた。前走ナシオナル・リカルド・リオンで念願のGⅠ制覇を果たすと、再びの牡馬撃破でGⅠ連勝を飾った。通算成績は7戦5勝(重賞4勝)。


 コンスティテューション産駒は昨年のブレークポイント(Breakpoint)に続いて連覇となった。ナシオナル・リカルド・リオンからエル・エンサージョへの連勝は、2019年のルックペン、2020年のブレークポイントと続いて3年連続である。牝馬によるエル・エンサージョの勝利は、2016年のコロールロサ(Color Rosa)以来5年ぶり。牝馬によるダブル制覇となると、2009年のベルワトリング(Belle Watling)以来12年ぶりである。


 イナダマスの次走はどうなるか。チリ3冠競走の2冠目は、12月4日にチレ競馬場で行なわれるGⅠセントレジャー(ダ2200m - 3歳)になる。だが、ダートには挑まないだろう。12月17日にサンティアゴ競馬場で行なわれるGⅠラス・オークス(芝2000m - 3歳牝馬)、そこから2月のGⅠエル・デルビー(芝2400m - 3歳)という路線が濃厚と思われる。だが、それは国内に留まるのならの話である。ルックペン、ブレークポイントが共にエル・エンサージョを勝利後に外国に移籍したことを考えれば、イナダマスも海を渡る可能性が高い。これだけの高いパフォーマンスを見せれば、世界中の馬主・生産者が放っておかない。




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