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  • 木下 昂也(Koya Kinoshita)

チリに激震!エル・エンサージョの勝ち馬ラカタンがドーピング違反

 12月2日にサンティアゴ競馬場が出した制裁決議により、チリ競馬に激震が走った。10月31日に行なわれたGⅠエル・エンサージョ(芝2400m - 3歳)の勝ち馬ラカタン(Racatán)がドーピング違反を犯したというのである。エル・エンサージョはチリ3冠競走の初戦であり、サンティアゴ競馬場最大の競走である。


 エル・エンサージョの出走馬の検体は、サンティアゴ競馬場が調査を委託しているオーストラリアの認定ラボで検査された。すると、ラカタンの検体から禁止薬物トラマドール(O-Desmethyltramadol)の陽性反応が出た。


 ラカタンには30日間の出走停止処分が課され、エル・エンサージョは失格となる。代わりに、2着入線のフォルティーノ(Fortino)が1着に繰り上がる。フォルティーノは12月3日にチレ競馬場で行なわれる3冠競走2戦目のGⅠセントレジャーに出走を予定しており、チリ3冠を達成する可能性が出てきた。


 チリでGⅠ勝ち馬がドーピング失格となるのは、2019年のGⅠセントレジャーで1着入線を果たしたエルバレーロ(El Barrero)以来である。同馬もオーストラリアの認定ラボでの検査でコバルトが検出されて失格となった。



 ラカタンを管理していたオスカル・シルバ調教師には資格停止や賞金没収などの厳しい制裁が科されるだろう。シルバ調教師は2020年のGⅠセントレジャーで4着に入線したオリエンタルトリガー(Oriental Trigger)でもカフェインの使用で失格処分を受けている。短期間で2度目のドーピング違反である。


 さらに問題なのは、ラカタンが香港に売却されたことである。


 南米大陸にはIFHAの認定ラボが存在しないため、各国は外国の認定ラボに検査を委託している。現在アルゼンチンはフランスの、ブラジルはアメリカの、チリはオーストラリアの認定ラボと契約を結んでいる。


 外国に検体を送るため、レースの最終的な着順確定までに1,2ヶ月を要する。禁止薬物で作った能力でGⅠを勝ち、GⅠ勝ちの実績を武器にその1,2ヶ月の間に外国に高値で売るということも可能である。今回のラカタンもこのケースに該当し、もはや詐欺と呼ぶべき行為である。


■ ラカタンが失格となったGⅠエル・エンサージョ



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木下 昂也(Koya Kinoshita)

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