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GⅠエル・エンサージョの勝ち馬ラカタンが正式に失格となる

 2022年10月31日にチリのサンティアゴ競馬場で行なわれたGⅠエル・エンサージョ(芝2400m - 3歳)で1着入線を果たしたラカタン(Racatán)は、ドーピング違反によって正式にレースを失格となった。2着入線だったフォルティーノ(Fortino)が繰り上がり優勝となる。


 エル・エンサージョの出走馬の検体は、サンティアゴ競馬場が調査を委託しているオーストラリアの認定ラボで検査された。レースから1ヶ月後の12月2日、サンティアゴ競馬場はラカタンの検体から禁止薬物トラマドール(O-Desmethyltramadol)の陽性反応が出たことを発表した。


 ラカタンの陣営が検査結果に抗議したため、すぐには失格処分が下されず、第二検体を使っての再調査が行なわれた。しかし、1月10日に第二検体からもトラマドールの陽性反応が出たため、失格は免れなくなった。


 チリの競馬メディア『トドス・エン・エル・パルティドール(Todos en el Partidor)』によると、1月31日にチリ競馬委員会が臨時会議を開き、ラカタンの失格が賛成6・反対2で可決された。約3ヶ月もの長きにわたって続いたGⅠエル・エンサージョに関する騒動は、これにてようやく終わりを迎えた。150回という節目の開催だったが、なんとも後味の悪い結果である。



 なお、エル・エンサージョ終了後からオーストラリアでの検査結果が出るまでの空白の1ヶ月を利用し、ラカタンは香港の馬主に売却された。禁止薬物で作った能力でGⅠを勝ち、GⅠ勝ちの実績を餌に外国に高値で売るという、ほとんど詐欺に等しい売買が行なわれたわけだが、香港側はラカタンのドーピング違反が明らかとなっても気にせずに取引を済ませた。


 繰り上がり優勝となったフォルティーノは12月にGⅠセントレジャーを制しており、GⅠエル・エンサージョと合わせてチリ2冠を達成したことになった。2月5日にバルパライソ競馬場で行なわれるGⅠエル・デルビー(チリ・ダービー)で、1991年のウルフ(Wolf)以来32年ぶりとなるチリ3冠に挑む。



■ ラカタンが失格となったGⅠエル・エンサージョ



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木下 昂也(Koya Kinoshita)

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【Mail】 kinoshita.koya1024@gmail.com

【HP】 https://www.keiba-latinamerica.com/

Koya Kinoshita

スペイン語通訳

スペイン競馬と中南米競馬を隅々まで紹介&徹底解説する『南米競馬情報局』の運営者です。

全国通訳案内士というスペイン語の国家資格を所持しています。

東京在住のインドア派。モスバーガーとミスタードーナツが好きです。

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