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ワンダックがGⅠアルトゥーロ・リオン・ペーニャを勝利してチリの2歳芝女王に輝く


ワンダック(Wandack)
写真:FOTOOFICIAL.CL

 6月30日、チリのサンティアゴ競馬場でGⅠアルトゥーロ・リオン・ペーニャ(芝1600m - 2歳牝馬)が行なわれた。チリ芝路線の2歳女王を決める戦いである。


 今年は9頭で争われた。3戦3勝で重賞を2勝したグアイラーバ(Guairaba)は出走を見送った。


 プラクティカルジョーク産駒の④イオノスフェラ(Ionósfera)が1.4倍で1番人気に支持された。デビュー戦を10馬身差で圧勝し、前走のGⅡクリアドーレス・エンブラス・カルロス・イルマスも3馬身差で快勝した。無敗の2歳女王誕生なるか。


 4.5倍の2番人気には⑥ワンダック(Wandack)が推された。重賞では3,2,2着とあと一歩の競馬が続いているが、デビュー戦を9馬身差で圧勝したときの走りは素晴らしかった。


 6.6倍で3番人気となった⑨ノースリッジ(North Ridge)も2戦2勝と無敗を維持している。前走で1200mのリステッド競走を勝利してここに臨む。



 ③ミノリ(Minori)がハナを切ろうとしたが、好スタートを決めたワンダックが外から加速して先頭に立った。1番人気のイオノスフェラは3番手の内につけ、ノースリッジはイオノスフェラを見るように4番手を追走した。


 直線では各馬横いっぱいに広がったが、先週の大雨の影響で内の馬場が荒れているため、最終的にはすべての馬が外に寄った。粘るワンダックをイオノスフェラが猛追したが、オスカル・ウジョア騎乗のワンダックが最後まで逃げ粘って勝利した。良馬場の勝ちタイムは1分37秒06。


「素晴らしい仕事をしてくれた陣営を祝福したい。この馬は先頭を走るのが好きなのでハナを切った。最後までよく戦ってくれた。細かい点はあるが、プランどおりのレースをできた」と、鞍上のオスカル・ウジョア騎手は述べた。


 ウジョア騎手はGⅠアルトゥーロ・リオン・ペーニャ初勝利である。また、6月28日に行なわれたGⅠアルベルト・ビアル・インファンテもカトマイ産駒のケイアーミー(Kay Army)で勝利しているため、これで2歳芝GⅠ連勝となった。


 1番人気のイオノスフェラは惜しくも1馬身差届かずの2着。キャリア初黒星を喫した。2着から4 1/2馬身差の3着にはノースリッジが入り、2番人気、1番人気、3番人気という堅い決着となった。



 ワンダックは父コンスティテューション、母ウェブサイト、その父ヨハネスブルグという血統の2歳牝馬。2020年7月20日にチリのドン・アルベルト牧場で産まれた。


 2023年1月27日にサンティアゴ競馬場の芝1100m戦でデビューすると、これを9 1/2馬身差で圧勝して注目される存在となった。しかし、4月のGⅢコテホ・デ・ポトランカスで3着、5月のGⅢフリオ・スベルカソーで2着、6月のGⅡクリアドーレスでも2着と、重賞ではあと一歩の競馬に泣き続けた。


 迎えた今回の大舞台でライバルのイオノスフェラを逆転。待望の重賞初勝利をGⅠの舞台で飾り、チリの2歳芝女王に君臨した。通算成績は5戦2勝(重賞1勝)。


 次走についてワンダックを管理するパトリシオ・バエサ調教師は、8月にサンティアゴ競馬場で行なわれるGⅠポージャ・デ・ポトランカス(芝1700m - 3歳牝馬)だと明言した。このまま3歳牝馬の芝路線を歩んでいく。





Koya Kinoshita

スペイン語通訳

スペイン競馬と中南米競馬を隅々まで紹介&徹底解説する『南米競馬情報局』の運営者です。

全国通訳案内士というスペイン語の国家資格を所持しています。

東京在住のインドア派。モスバーガーとミスタードーナツが好きです。

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