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グッドサマリタン産駒のヤーシュアが2歳王者ソーキを倒してGⅠ2000ギニーを優勝


ヤーシュア(Yahshua)
写真:Hipódromo Chile https://www.facebook.com/photo/?fbid=699768985518117&set=pcb.699769145518101

 9月2日、チリのチレ競馬場でGⅠ2000ギニー(ダ1600m - 3歳)が行なわれた。チレ競馬場4冠競走の2戦目である。


 ⑮カサーホ(Kazajo)が取り消し、今年は15頭で争われた。15頭のうち6頭がプラクティカルジョーク産駒である。


 そのプラクティカルジョーク産駒の③エルブフォン(El Bufón)が2.60倍で1番人気に支持された。前哨戦のGⅡドミンゴ・セグンド・エレーラ・マルティネス(ダ1500m - 3歳)の勝ち馬である。


 同じくプラクティカルジョーク産駒の⑪ソーキ(Soqui)は3.60倍で2番人気となった。2歳GⅠタンテオ・デ・ポトリージョス(ダ1500m - 2歳)を制した2歳ダート王者である。そのとき以来2ヶ月半ぶりの実戦という間隔がどう影響するか。


 5.20倍で3番人気となった④モリコーネ(Morricone)もプラクティカルジョーク産駒である。6戦して一度も3着以内を外していない。2歳時にはGⅢセレクシオン・デ・ポトリージョス(ダ1200m - 2歳)を優勝した。



 ⑧グランライ(Gran Rai)が出鞭を入れてハナを切った。2番手には⑨ビエホロボ(Viejo Lobo)が続き、モリコーネが3番手につけた。人気どころでは、ソーキが中団を追走し、エルブフォンは最後尾からの競馬となった。


 直線ではモリコーネと⑤ゴーストジョーク(Ghost Joke)が先頭に立った。しかし、その2頭の間からアンジェロ・リベーラ騎乗の4番人気②ヤーシュア(Yahshua)が抜け出すと、そのまま後続を突き放して2馬身差の勝利をおさめた。


「最後の数百メートルは覚えていない。勝ったことだけは分かっている。とても幸せ、感動している。競馬をやっていると頭がおかしくなる。アンジェロの騎乗が素晴らしかった。彼と、馬を管理するロドリゴ・プルガール調教師に感謝したい」と、ヤーシュアを所有するティオ・ハビのミゲル・サンドバル氏は述べた。


 鞍上のアンジェロ・リベーラ騎手は、1999年のメモグアポ(Memo Guapo)、2014年のトップカサブランカ(Top Casablanca)に続いて、これがGⅠ2000ギニー3勝目である。管理するロドリゴ・プルガール調教師は、開業19年目にして嬉しいGⅠ初勝利となった。


 良馬場の勝ちタイムは1分33秒64。これはトップカサブランカの1分32秒80、アスコットプリンス(Ascot Prince)の1分33秒37に次ぎ、レース史上3番目に早いタイムである。


 2馬身差の2着には直線で猛追したソーキが入った。3着は7番人気⑭グッドランナー(Good Runner)だった。




 ヤーシュアは父グッドサマリタン、母プーロディアブラ、その父オーサムペイトリオットという血統の3歳牡馬。2020年9月4日にチリのサンタ・サラ牧場で産まれた。


 2023年3月2日にデビューし、3戦目で初勝利をあげた。2歳時にはGⅢビクトール・マティッチ・フェルナンデス(ダ1500m - 2歳)を優勝した。


 前走のGⅠタンテオ・デ・ポトリージョスでは13頭立ての10着と大敗した。そこから時間をかけて体勢を立て直し、3歳初戦となった今回のGⅠ2000ギニーで2歳王者を破る金星をあげた。通算成績は6戦3勝(重賞2勝)。


 父のグッドサマリタンは、2019年からチリでシャトル種牡馬として供用されている。ヤーシュアの属する2020年産馬がチリでの初年度産駒となり、これが産駒のGⅠ初勝利である。3着のグッドランナーもグッドサマリタン産駒であり、プラクティカルジョーク産駒6頭が出走したこのレースの主役は、実はグッドサマリタン産駒だった。




Koya Kinoshita

スペイン語通訳

スペイン競馬と中南米競馬を隅々まで紹介&徹底解説する『南米競馬情報局』の運営者です。

全国通訳案内士というスペイン語の国家資格を所持しています。

東京在住のインドア派。モスバーガーとミスタードーナツが好きです。

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