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「競馬にはうんざりした」サッカー界きっての競馬狂アルトゥーロ・ビダルが競馬界を去る

 サッカー界を代表する競馬狂として有名だったチリのアルトゥーロ・ビダルが、競馬界を去ろうとしている。


 以前、ビダルがチリで運営しているサラブレッドの生産牧場『イル・カンピオーネ牧場』を30億チリ・ペソで売りに出した、という現地報道を伝えた。





 そのときは、売却の具体的な理由は不明だった。しかし、チリのスポーツメディア『デポルテス13(Deportes 13)』などによると、アルトゥーロ・ビダルは財政的な問題を抱えていることに加えて、競馬に対してすっかり興味を失ったそうである。



 ビダル本人は、自身の Twitch で次のように発言した。


「いつも自分が手に入れたいと夢見ていたもの、それがイル・カンピオーネ牧場である。5,6年をかけて、この牧場を所有し、自分の馬を生産・所有するのに大金を費やしてきた。競馬に使った費用は35億ペソ(5億8000万円)は下らないだろう」


「サッカー選手としてのキャリアが終わりを迎えようとしている。そういう瞬間が頭をよぎる。ここ5,6年で7回はそう思った。自分の夢を叶えるために、あらゆる資金をつぎこんできたが、競馬にはうんざりした。見たくないものを見てしまったからだ。以前は競馬を趣味(ホビー)としてとらえていたが、今はもう重要な存在ではない」


「将来は監督になりたい。自分のジムを所有している。今はジムの拡張に資金を注いでいる。そのため、自分が抱えている大きな負担を減らしていくことにした。競馬界は私を失望させた。競馬界の連中もそのことを知っている。競馬事業を続けたいとは思わない。だが、牧場を売るとは言っていない。売却のオファーは届いている。だが、まだ売るつもりはない。いつかは確実に売るが」



「私が経済的な問題を抱えているという人もいるが、理解できない。他人の言うことは信じないでほしい。自分が楽しんでいない事業にお金を浪費するくらいなら、他の事業に回したほうがいい。それだけのこと。将来的に売るために買う。それが投資というもの。牧場では楽しんだ。だが、もうそれは遠い過去だ。大金を費やして5年。馬を見ることもない。チリ代表の試合に出るし、休みの日だって牧場に行くことはできない。馬を見れないのに、牧場を持っていてどうするというのか」


 アルトゥーロ・ビダルの言葉は嘘ではないだろう。ビダルの馬主名義であるアル・ビダル、および、ビダルの所有するイル・カンピオーネ牧場のSNSは、5月の投稿を最後に更新が途絶えている。また、イル・カンピオーネ牧場の運営を任されていたビダルの従兄弟カルロス・アリアーガ氏も、以前はSNSに頻繁に馬に関する投稿をしていたが、すっかり競馬関連の投稿がなくなった。



Koya Kinoshita

スペイン語通訳

スペイン競馬と中南米競馬を隅々まで紹介&徹底解説する『南米競馬情報局』の運営者です。

全国通訳案内士というスペイン語の国家資格を所持しています。

東京在住のインドア派。モスバーガーとミスタードーナツが好きです。

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