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グロリオーソベがウィキッドウェルズホタエレセの3冠の夢を打ち砕く


グロリオーソベ(Glorioso B.)
写真:Hipódromo V Centenario http://hvc.com.do/galeria-de-fotos-29-07-2023/

 7月29日、ドミニカのキント・センテナリオ競馬場でGⅠフアン・パブロ・ドゥアルテ(ダ2000m - 3歳内国)が行なわれた。このレースはドミニカ3冠競走の最終戦となっている。


 今年は7頭で争われた。1冠目のGⅠマティアス・ラモン・メージャ(ダ1700m - 3歳内国)は10頭立てだったが、2冠目のGⅠフランシスコ・デル・ロサリオ・サンチェス(ダ1800m - 3歳内国)は4頭立まで減った。3冠目で頭数を盛り返した。


 ⑥ウィキッドウェルズホタエレセ(Wickewells JLC)がドミニカ史上18頭目の3冠に挑む。1冠目は圧勝したが、2冠目はライバルに差を縮められた。今回は距離が2000mに伸びるとが、エクトル・ブレトン調教師は2000mのほうがさらに都合が良いと自信を持っている。


 1冠目・2冠目で共に2着だったグロリオーソベ(Glorioso B.)は、最終戦での逆転を狙う。末脚が武器の馬であり、前走の内容を見ても2000mという距離延長は歓迎だろう。1月29日のGⅢディア・デ・ドゥアルテではウィキッドウェルズホタエレセを倒しており、そのときの再現なるか。


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 ①ジャンボジェット(Jumbo Jet)がハナを切った。④アワーフロリダウェルズ(Our Florida wells)が2番手につけ、ウィキッドウェルズホタエレセは3番手を追走した。グロリオーソベはいつものように最後方で末脚に賭けた。


 3冠を狙うウィキッドウェルズホタエレセは、自信たっぷりに早くも3コーナーで先頭に立った。それを追ってグロリオーソベも最後尾から進出を開始した。4コーナーでは2頭が並んだが、勢いは圧倒的にカルロス・デ・レオン騎乗のグロリオーソベにあった。グロリオーソベは楽に後続を突き放すと、ウィキッドウェルズホタエレセに2秒近い大差をつけて勝利した。勝ちタイムは2分6秒60。


「本当に言葉が見当たらない。この馬のことを信頼していた。神のおかげもあって、私が望んでいたことを達成できた」と、馬主のバウティスタ氏は涙をこらえながら述べた。


 同馬を管理するイバン・ディエス調教師は「神と陣営に感謝する。この優勝トロフィーはファンのみんなと私の家族に捧げる。3度目の正直だ。我々はそれを成し遂げた」と述べた。


 グロリオーソベは父トラップゲーム、母セカンドシエラ、その父シコティコという血統の3歳牡馬。2020年にアンヘル・コントレーラス氏が生産した。


 2022年12月10日に初勝利をあげた。今年1月29日のGⅢディア・デ・ドゥアルテでは、ウィキッドウェルズホタエレセを破って重賞初勝利をおさめた。これまでの2冠はウィキッドウェルズホタエレセに先着を許したが、3度目の正直という調教師の言葉どおり、最終戦でついにライバルを倒してGⅠを制した。


 今後は12月にパナマのプレシデンテ・レモン競馬場で開催される中米選手権クラシコ・デル・カリベ(中米ダービー)を目標にするだろう。中米・カリブ海地域の強豪3歳馬を相手にする。




Koya Kinoshita

スペイン語通訳

スペイン競馬と中南米競馬を隅々まで紹介&徹底解説する『南米競馬情報局』の運営者です。

全国通訳案内士というスペイン語の国家資格を所持しています。

東京在住のインドア派。モスバーガーとミスタードーナツが好きです。

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