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生ける伝説のラストラン、ホセ・ルイス・マルティネス騎手が現役引退


ホセ・ルイス・マルティネス(José Luis Martínez))
写真:Nick Higgins(@JockeysRoom)

 スペインの生ける伝説。スペイン競馬の騎手であり旗手。競馬界のラファエル・ナダル。マジック・マルティネス。数々の異名を持つスペインのホセ・ルイス・マルティネス騎手が、37年間の騎手生活に別れを告げた。


 マルティネス騎手は3月4日にシャンティイ競馬場で行なわれたリステッド競走で、スペイン馬主のセントゥリオンが所有する⑦クイックリフレックス(Quick Reflex)に跨り、現役ラストランを迎えた。果敢に逃げたものの、ゲート入りを嫌がった影響もあったか、7着に敗れた。


 クイックリフレックスはアロゲート産駒の3歳牡馬。昨年12月29日のマドリード・サルスエラ競馬場2R(ダ1700m - 2歳)でデビューし、これを9 1/2馬身差で圧勝した(詳細)。マジック・マルティネス騎手に地元マドリードでの最後の勝利をもたらしただけでなく、アロゲート産駒はスペイン初出走・初勝利だった。


 なお、クイックリフレックスは今後もフランスに留まり、セントゥリオンの所有馬を預かっているクリストファー・ヘッド調教師の管理馬となる予定である。



 すでに昨年末に現役引退を発表していたホセ・ルイス・マルティネス騎手は、当初はドバイ遠征を行なっているギリェルモ・アリスコレータ調教師のロダバーリョ(Rodaballo)を最終騎乗とする予定だった。しかし、クイックリフレックスの出走とロダバーリョの出走が被ってしまったことと、現役引退後はセントゥリオンの仕事に携わる関係から、クイックリフレックスを現役最後の騎乗馬として選んだ。


「出走日が重なってしまったのでどちらか1頭にしか乗れなかった。スーパーサタデーに出走するロダバーリョに乗れないのは残念だった」と、マルティネス騎手は述べた。


 ホセ・ルイス・マルティネス騎手は国内外で通算1200勝以上をあげ、9度のスペイン・リーディングを獲得した。スペインにはクラウディオ・カルデル、ロマン・マルティンという偉大な騎手がいたが、2人の後継者としての地位を確立した。スペイン競馬史にその名を刻み、将来は競馬場に銅像が建てられるべき存在である。



 自身の今後についてマルティネス騎手は、スペイン競馬メディアの『ア・ガロパール(A Galopar)』に対して次のように述べた。


「いつ引退するかを自分自身で決められたのは幸運だった。家族や友人、私を応援してくれるすべての人々のことを大切にしたいし、彼らと過ごす時間を味わいたい。これからも馬とは離れない。離れることはできない」


「今後はメディテラネオ(※スペインの馬主)とセントゥリオンのレーシングマネージャーを務める。メディテラネオと騎乗契約を結んでいるリカルド・ソウザ騎手にも助言を与えるつもりだ。また、ギリェルモ・アリスコレータ調教師の下で調教を手伝う。37年も馬に乗っていたので、馬の特徴や能力、適性などをアドバイスできると思う。同業者に対しても、これからの競馬界を担う新しい世代の少年少女に対しても、自分と一緒に仕事をする人にとってプラスになることを提供していきたい」


■ ホセ・ルイス・マルティネス騎手の現役最終騎乗



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木下 昂也(Koya Kinoshita)

【Twitter】 @koyakinoshita24

【Instagram】 @kinoshita_koya1024

【Mail】 kinoshita.koya1024@gmail.com

【HP】 https://www.keiba-latinamerica.com/

Koya Kinoshita

スペイン語通訳

スペイン競馬と中南米競馬を隅々まで紹介&徹底解説する『南米競馬情報局』の運営者です。

全国通訳案内士というスペイン語の国家資格を所持しています。

東京在住のインドア派。モスバーガーとミスタードーナツが好きです。

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