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スヴニールデカジュールが大混戦のクリテリウム・インテルナシオナルを制す


スヴニールデカジュール(Souvenir D'Ecajeul)
写真:Hipódromo de San Sebastián(@HipodromoSnSn) https://twitter.com/HipodromoSnSn/status/1695856229245940133

 8月27日、スペインのサン・セバスティアン競馬場でカテゴリーA競走サンタンデール・カップ・クリテリウム・インテルナシオナル(芝1500m - 2歳)が行なわれた。スペインの主要3場でそれぞれ開かれる2歳馬の重要競走『サンタンデール・カップ』の初戦となる。


 今年は9頭で争われた。単勝オッズ1桁台の馬が6頭もおり、大混戦となった。


 2.20倍で1番人気に支持されたのは⑤サーポロ(Sir Polo)である。7月1日にサン・セバスティアン競馬場でデビュー勝ちをおさめ、8月6日の前哨戦も勝って2戦2勝。3連勝で世代争いを抜け出すか。


 ③サブローソ(Sabroso)が3.30倍の2番人気に推された。フランスを拠点にしているスペイン人のマウリシオ・デルシェール調教師の管理馬で、これがスペイン初戦となる。




 もともと悪化していた馬場状態に加えて、雨が降ったことでかなりの重馬場となった。各馬は序盤から内を大きく空けて走った。


 サブローソがレースを引っ張った。サーポロも積極的に2番手につけ、⑧プリンセスチャイルド(Princess Child)が3番手を追走した。


 サーポロは重馬場に苦しんだか、3コーナーで早くも手応えを失ってしまった。サブローソも4コーナーで思ったように進んでいけず、代わりに先頭に立ったのが牝馬のプリンセスチャイルドである。


 このままプリンセスチャイルドが押し切るかと思われた。しかし、道中は中団で脚を溜めていたヴァーツラフ・ヤナーチェク騎乗の6番人気⑥スヴニールデカジュール(Souvenir D'Ecajeul)が、直線で末脚を伸ばしてプリンセスチャイルドを差し切った。勝ちタイムは1分38秒96。


 1 3/4馬身差の2着はプリンセスチャイルドだった。3着にはサブローソがかろうじて粘った。1番人気のサーポロは勝ち馬から大差の8着と大敗した。



 スヴニールデカジュールは父ローマン、母クロアジュール、その父カポーテという血統の2歳牡馬。2021年3月23日にフランスのペトラ・ブラッドストック・エージェンシーが生産した。


 2023年4月11日にフランスでデビューして2着となった。その後、スペインの馬主であるイェグアーダ・ロシーオに購入され、スペインのギリェルモ・アリスコレータ調教師の管理馬となった。


 5月21日にマドリードのサルスエラ競馬場でスペイン初戦を迎え、これを白星で飾った。前走も勝利して今回のクリテリウム・インテルナシオナルに挑み、大混戦を断ち切って世代争いから一歩抜け出した。通算成績は5戦3勝。




Koya Kinoshita

スペイン語通訳

スペイン競馬と中南米競馬を隅々まで紹介&徹底解説する『南米競馬情報局』の運営者です。

全国通訳案内士というスペイン語の国家資格を所持しています。

東京在住のインドア派。モスバーガーとミスタードーナツが好きです。

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