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ソフィーズウォッチが鮮やかな差し切りでカテゴリーA競走アニベルサリオ・デ・ラ・サルスエラを優勝


ソフィーズウォッチ(Sophie's Watch)
写真:Hipódromo de La Zarzuela(@HipodromoMadrid) https://twitter.com/HipodromoMadrid/status/1716066347577164207

 10月22日、スペインのマドリードにあるサルスエラ競馬場でカテゴリーA競走アニベルサリオ・デ・ラ・サルスエラ(芝1600m - 3歳以上牝馬)が行なわれた。1941年に開場したサルスエラ競馬場の開場記念レースであり、2023年で82周年を迎えた。


 ⑩テレデゲレ(Terredeguerre)が取り消し、今年は9頭で争われた。


 5歳牝馬④ウパローラ(Upa Lola)が2.5倍で1番人気に支持された。昨年のこのレースの勝ちであり、今年は6戦3勝と好調。近2走は連勝をおさめている。3連勝でのレース連覇を狙う。


 3歳牝馬からは2頭の有力馬が出走した。3.8倍で2番人気となった⑦ラヴフォーライフ(Love For Life)は、スペインの1000ギニーにあたるカテゴリーA競走バルデラス(芝1600m - 3歳牝馬)の勝ち馬である。7月にフランスのリステッド競走に挑戦して4着。スペインに戻った前走は3着だったが、1度叩いた上澄みを期待できる。





 もう1頭の3歳馬、⑨ソフィーズウォッチ(Sophie's Watch)が4.8倍で3番人気に推された。上半期に3連勝したが、本番のバルデラスでは2番人気に支持されながら4着に敗れた。前哨戦を素晴らしい末脚で快勝してここに挑む。



 ②ゲレイラ(Guerreira)がハナを切った。⑤ベルベーナ(Verbena)が2番手につけ、ラヴフォーライフは3番手を追走した。人気どころでは、ソフィーズウォッチが中団に控え、それをマークするように1番人気のウパローラが続いた。


 3コーナーで早くもラヴフォーライフが先頭に立つと、直線でも良い手応えのまま粘りこみの体勢に入った。しかし、楽に外に出せたニコラス・バジェ騎乗のソフィーズウォッチが前を猛追すると、残り50mのところでラヴフォーライフを差し切って優勝した。重馬場の勝ちタイムは1分38秒71。


 ソフィーズウォッチを所有するイングリッド・ディアスさんは、これが初めてのカテゴリーA競走優勝。嬉しさのあまり、ゴール後は涙を流しながら陣営と抱き合って喜んだ。


 ラヴフォーライフは完璧な競馬をしたが、最後の最後で交わされて1 1/4馬身差の2着に敗れた。1番人気のウパローラは後方から追いこんだが、2着から2 1/2馬身離された3着を確保するのがやっとだった。3番人気・2番人気・1番人気という順当な決着だった。




 ソフィーズウォッチは父タイムテスト、母ヴァリラ、その父ダンカークという血統の3歳牝馬。2020年3月3日にイギリスで産まれた。


 2022年9月15日にイギリスでデビューした。2戦して勝ち星をあげられず、同年10月にタタソールズ社が開催したトレーニング・セールに上場され、14,000ギニーでイングリッド・ディアスさんに購入された。


 2022年12月22日にスペインデビューを果たすと、これを白星で飾った。翌年2月19日から4月2日にかけて3連勝をあげ、一躍世代の有力馬として注目されたが、1000ギニーにあたるカテゴリーA競走バルデラスでは4着と敗れた。


 夏は休養し、9月8日に復帰。これを見事な末脚で勝利すると、今回も鮮やかな差し切り勝ちでカテゴリーA競走初勝利をおさめた。スペインでの通算成績は9戦6勝。




Koya Kinoshita

スペイン語通訳

スペイン競馬と中南米競馬を隅々まで紹介&徹底解説する『南米競馬情報局』の運営者です。

全国通訳案内士というスペイン語の国家資格を所持しています。

東京在住のインドア派。モスバーガーとミスタードーナツが好きです。

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