• 木下 昂也(Koya Kinoshita)

怪物牝馬アトミカがGⅠジャマイカ・ダービーを優勝、ブルーヴァイニルの3冠を阻止

 8月6日、ジャマイカのケイマナス・パーク競馬場でGⅠジャマイカ・ダービー(ダ2400m - 3歳)が行なわれた。このレースはジャマイカ3冠競走の最終戦となっている。


 2000ギニー、セントレジャーを制して2冠馬となった⑧ブルーヴァイニル(Blue Vinyl)がジャマイカ3冠を懸けて出走した。1000ギニーを20馬身差で圧勝したがセントレジャーでは2着に敗れた⑥アトミカ(Atomica)は、出走唯一の牝馬として逆転を狙った。前者が 2-5、後者が 3-2 と、この2頭が図抜けて人気を集めた。


 やや出遅れたアトミカが二の脚を使ってハナを切り、3番人気の④ブリンクス(Brinks)が2番手に続いた。その外にブルーヴァイニルがつけた。向こう正面でアトミカが後続を引き離しにかかると、ブルーヴァイニルもそれについて上がっていった。しかし、アトミカの勢いはまったく衰えず、反対にブルーヴァイニルは脚が止まった。結局、デーン・ドーキンス騎乗のアトミカが2着に9 1/4馬身もの差をつける圧勝で、第102代ジャマイカ・ダービー馬に輝いた。3冠を狙ったブルーヴァイニルは、ブリンクスにも交わされて3着だった。


「前走のセントレジャーは良いレース運びをできなかった、今回は道中をスムーズに進めることを心掛けた。最初の6ハロンを過ぎたところで、どうやって走ろうかを考える余裕があった。反応も良く、持っている能力をすべて出し切ってくれた。直線でヨレたのは左鞭のせい。ダービージョッキーになれてとても幸せ。調教師、馬主、家族、みんなに感謝したい」と、鞍上のデーン・ドーキンス騎手はレース後のインタビューで述べた。


 馬主のドン・ウェフビー氏は「あなたはビジネスで非常に成功し、競馬界でも成功をおさめたが、今日のような日は味わったことがないのでは?」という質問に対し、「そのとおり。すべての馬主、すべての生産者が望むダービーを勝つという夢が叶ったのだから」と、喜びを露わにした。ウェフビー氏はグレースケネディ・グループというカリブ地域最大のコングロマリットの CEO を務めている。


 アトミカは父ニュークリアーウェイン、母ホンキートンクヴィル、その父レパレーションズという血統の3歳牝馬。2019年3月18日にジャマイカのカール・サムーダ氏が生産した。馬主はオークリッジ・ファーム、管理するのはゲイリー・サブラティー調教師である。


 2021年12月11日のデビューを4馬身差で勝利し、ここから快進撃が始まった。2戦目を6馬身差、3戦目のGⅡソーンバードSを7 1/4馬身差、4戦目のGⅡポートモアーを12 1/4馬身差で勝利し、迎えたGⅠ1000ギニーでは2着に20馬身もの大差をつけて優勝した。しかし、前走のGⅠジャマイカ・セントレジャーでは、スタート直後にスムーズさを欠いた影響もあり、ブルーヴァイニルの2着に敗れた。馬主の強い希望でオークスではなくダービーに向かい、見事にブルーヴァイニルを逆転、3冠を阻止した。通算成績は7戦6勝(重賞4勝)。


 今後に関する発表はなかったが、12月11日にベネズエラで開催される中米選手権クラシコ・デル・カリベに出走すれば面白い存在になるだろう。




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木下 昂也(Koya Kinoshita)


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