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インオルビダブレリリーがGⅠデ・ラス・エストレージャスを優勝、GⅠ連勝でメキシコ女王に輝く

 9月30日、メキシコのラス・アメリカス競馬場でGⅠハンディキャップ・デ・ラス・エストレージャス(ダ1800m - 3歳以上牝馬)が行なわれた。メキシコでもっとも重要な牝馬限定競走である。


 今年は7頭で争われた。メキシコ産馬が2頭、アメリカ産馬が5頭という内訳である。


 非常に手薄なメンバー構成となった。牝馬3冠競走で圧倒的な強さを見せたペトロニーラ(Petronila)や、そのペトロニーラを破ったマイウィッチアスキファール(My Witch Asquifar)が出走しない。また、強豪のスーペルイヴォンヌ(Súper Ivonne)も同日のGⅠハンディキャップ・デ・ラス・アメリカスに回った。


 ③インオルビダブレリリー(Inolvidable Lily)が1強としてここに臨む。前走のGⅠモナルカ(1700m)では13 3/4馬身差の圧勝。有力馬不在の隙を突いてGⅠ連勝を狙う。






 各馬そろったスタートから、①マジーナ(Mayina)がハナを切った。2番手には⑤アストリットアスキファール(Astrit Asquifar)がつけ、3番手に⑥ロカイ(Rokai)が続いた。この3頭が後続を引き離し、注目のインオルビダブレリリーは前から4,5頭目を追走した。


 向正面の終わりで馬群が固まった。インオルビダブレリリーもじわじわと進出を開始し、直線の入口では2番手までポジションを上げていった。直線ではインオルビダブレリリーとロカイの叩き合いとなったが、この争いをルイス・コントレーラス騎乗のインオルビダブレリリーが制して勝利した。勝ちタイムは1分54秒00。


 ロカイはゴール前で差し返す根性を見せたが、わずかアタマ差届かずの2着だった。3着には①aディスクリートアナライズ(Descreet Analyze)が入り、アメリカ産馬のワンツースリー決着となった。


 インオルビダブレリリーは父フェドビズ、母シュワリーズガール、その父ロンロという血統の4歳牝馬。2019年3月22日にアメリカで産まれた。2020年のキーンランド秋セールでたった1200ドルで取引され、メキシコで競走生活を送ることになった。


 2021年9月10日にデビューし、3戦目で初勝利をあげた。その後はアローワンス戦で勝ったり負けたりを繰り返すだけで、重賞を勝つことはできなかった。


 今年は4戦して5着・7着・3着・6着と不調だったが、8月12日のアローワンス戦で2023年初勝利をおさめると、前走のGⅠモナルカを13 3/4馬身差で圧勝し、重賞初制覇を飾った。勢いそのままにGⅠ連勝を決め、メキシコ女王の座に上り詰めた。通算成績は23戦8勝(重賞2勝)。




Koya Kinoshita

スペイン語通訳

スペイン競馬と中南米競馬を隅々まで紹介&徹底解説する『南米競馬情報局』の運営者です。

全国通訳案内士というスペイン語の国家資格を所持しています。

東京在住のインドア派。モスバーガーとミスタードーナツが好きです。

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