• 木下 昂也(Koya Kinoshita)

n回目のアグネスゴールド祭り開催の予感

 6月27日、ブラジルのガヴェア競馬場で3つのGⅠ競走が開催される。3歳以上のGⅠマチアス・マッハライン(芝2000m)、2歳牝馬限定のGⅠマルガリーダ・ポラーク・ララ(芝1600m)、そして2歳GⅠジョアン・アデマール・ヂ・アルメイダ・プラード(1600m)である。この3つが、ブラジル2020/21シーズン最後のGⅠとなる。


 メイン競走となるマチアス・マッハラインは、リオ・デ・ジャネイロ地区の王者にして南米最高レーティングを誇るピンパーズパラダイス(Pimper's Paradise)と、サンパウロ地区の王者ヘッドオフィス(Head Office)の頂上決戦に注目が集まっていた。しかし、ピンパーズパラダイスが熱発により回避することになり、ヘッドオフィスが単独の本命馬とみなされている。今年に入って3戦3勝、サンパウロ地区最大のGⅠ競走であるサンパウロ(芝2400m)を優勝するなど好調を維持している。


 だが、盤石ではない。キャリア15戦目にしてガヴェア競馬場は初出走となる。サンパウロの馬が、いきなりリオ・デ・ジャネイロで好走できるほど甘くはない。ピンパーズパラダイスはいなくとも、実力馬が多数出走してきた。


 マイル王者オリンピックジョンスノー(Olympic Johnsnow)、今年のダービー馬オリンピッククレムリン(Olympic Kremlin)、2着のオリンピックコルチノイ(Olympic Korchnoi)、前走GⅠサンパウロでヘッドオフィスをクビ差まで追い詰めたノーヴォソル(Novo Sol)という、アグネスゴールド産駒の4頭は脅威であり、4頭のうちどの馬が勝ってもまったく不思議ではない。また、ダービーの3着馬で、前走GⅡドウトール・フロンチンを勝利したジャクソンポロック(Jackson Pollock)も侮れない。



 2歳牝馬GⅠマルガリーダ・ポラーク・ララは、マチアス・マッハライン以上に注目すべきレースかもしれない。ここも主役はアグネスゴールド産駒になりそうだ。ウッチェリーノリベッレ(Uccellino Ribelle)は、2019年のブラジル最優秀2歳牡馬フィーロディアリアンナの半弟であり、今年のブラジル3冠競走第2戦GⅠフランシスコ・エドゥアルド・イ・リンネオ・エドゥアルド・ヂ・パウラ・マシャードを優勝したクーロエカミーチャの全弟にあたる。オリンピックラスパルマス(Olympic Las Palmas)も半兄にGⅠサンパウロの勝ち馬オリンピックハリウッドを持つ良血馬であり、前走は4馬身差の快勝をおさめた。リーガルタイト(Regal Tight)はGⅢの勝ち馬と、出走馬の中で上位の実績を誇る。


 アグネスゴールド産駒以外では、そのリーガルタイトを下してGⅡを優勝したドロッセルマイヤー産駒のジャンベリー(Jamberly)、未勝利馬ながら鋭い末脚を武器にGⅠ2着の実績があるハットトリック産駒のマカダミア(Macadamia)、前走ダート1400mで2着に23馬身もの大差をつける衝撃の走りを披露した同じくハットトリック産駒のコンビ(Kombi)に注目である。



 2歳GⅠジョアン・アデマール・ヂ・アルメイダ・プラードは混戦である。実績では、GⅠジョッキークルブ・ブラジレイロを優勝したアグネスゴールド産駒のオルフェネグロ(Orfeu Negro)が抜けているが、レースレベルには疑問が残る。そのオルフェネグロが出走したGⅡを6馬身差で圧勝したオセアーノアズール(Oceano Azul)のほうが、能力は上と見る。アグネスゴールド産駒のオンライン(Online)も重賞馬だが、ジョッキークルブ・ブラジレイロでは勝ち馬から16馬身離された最下位に敗れており、状態に不安を抱えている。


 いずれにせよ、今年の出走馬から来シーズンの3冠戦線をにぎわせるような馬が出るとは思えない。やはり、2歳牝馬のGⅠマルガリーダ・ポラーク・ララのほうに注目すべきだろう。


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木下 昂也(Koya Kinoshita)

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