
木下 昂也(Koya Kinoshita)
マタラーニが完璧な作戦でジョッキークルブ・デル・ペルーを優勝、新たなペルー王者に

写真:Hipódromo Monterrico https://hipodromodemonterrico.com.pe/monterrico/noticias-ver?id_articulo=1208156
6月26日、ペルーのモンテリーコ競馬場でGⅠジョッキークルブ・デル・ペルー(ダ2400m - 3歳以上)が行なわれた。ペルー競馬における上半期最大の競走である。
今年は7頭で争われた。2020年の2冠馬で昨年の覇者⑤ニュルンベルク(Nuremberg)に加えて、2020年のダービーではニュルンベルクを倒して優勝した昨年の2着馬④ノビジェーロ(Novillero)、圧勝に次ぐ圧勝を重ねてきた3歳牝馬の⑥セリーナカイル(Selina Kyle)が上位人気を形成した。参戦を予定していた昨年の3冠馬スーペルナオ(Súper Nao)が怪我により引退した残念だが、現ペルーのトップホースが集結した。
2頭出しとなったジェットセット陣営は、①スーペルラフィート(Súper Rafito)をペースメーカーに使ってセリーナカイルをアシストしようと考えたのだろう。しかし、セリーナカイルは番手で我慢がきかずにハナに立った。ニュルンベルクはセリーナカイルと並走してプレッシャーをかけ続け、3コーナーの入り口で早くも先頭に立って最大のライバルを潰した。直線ではニュルンベルクが抜け出して連覇濃厚かと思われたが、2頭の争いを静観していたミゲル・ビルカリーマ騎乗の②マタラーニ(Matarani)がまんまと差し切ってみせた。良馬場の勝ちタイムは2分34秒87。1馬身差の2着はニュルンベルクで、そこからさらに7馬身離れた3着はノビジェーロだった。
マタラーニは父エンドースメント、母クワイナリー、その父ルフクという血統の4歳牡馬。2017年8月14日にアルゼンチンのラ・ケブラーダ牧場で産まれた。産まれた当初はキューコード(Q Code)という馬名だったが、ペルー馬主のアリーバ・アレキパに購入されるとマタラーニと改名され、2020年1月にアルゼンチンからペルーに輸出された。3代母にヌメラリア(Numeraria)がいるため、日本のマカヒキの遠戚にあたる。
2020年11月3日にデビューし、これを白星で飾った。2021年8月29日のGⅢコメルシオで重賞初勝利をあげ、同年10月24日にウルグアイのマローニャス競馬場で行なわれたGⅠラティーノアメリカーノにペルー代表として出走したが、最下位の13着に敗れた。今年も2月のGⅢで2着に入ると、4月2日にチリのチレ競馬場で行なわれたGⅠラティーノアメリカーノに出走し、今度は5着と好走した。帰国初戦となった6月12日の前走を快勝し、連勝でGⅠ初勝利をおさめた。通算成績は14戦6勝(重賞2勝)。
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木下 昂也(Koya Kinoshita)
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