• 木下 昂也(Koya Kinoshita)

パラディグマがGⅠデルビー・ナシオナルを優勝してペルー3冠を達成


パラディグマ(Paradigma)
写真:Hipódromo de Monterrico / Julio Villanueva https://hipodromodemonterrico.com.pe/monterrico/noticias-ver?id_articulo=1233192


 11月20日、ペルーのモンテリーコ競馬場でGⅠデルビー・ナシオナル(ダ2400m - 3歳)が行なわれた。このレースはペルーのダービーにあたり、ペルー4冠競走の第3戦となっている。


 ⑤パラディグマ(Paradigma)が3冠をかけて出走する。昨年のスーペルナオ(Súper Nao)に続き、2年連続でペルー3冠馬が誕生するか。


 2冠目のGⅠリカルド・オルティス・デ・セバージョスでパラディグマを3/4馬身差まで追い詰めた⑧グラック(Gluck)は逆転して3冠阻止なるか。牝馬からはGⅠエンリケ・アジューロ・パルドを優勝した④aママナンシー(Mama Nanzy)が出走してきた。


 好スタートを決めたパラディグマが先頭に立つ気配を見せたが、コーナーで④スーペルルリート(Súper Lulito)がハナを奪ってレースを引っ張った。パラディグマは僚馬⑤aエルビルレイ(El Virrey)と並んで2番手集団に控えたが、外からグルックにプレッシャーをかけられる厳しい位置取りになった。先頭集団と後続は離れ、レース序盤から勝負は前の4頭の争いとなった。


 直線に入るとグルックが良い手ごたえで先頭に躍り出た。パラディグマはぽっかり空いた内を抜け出した。残り200m地点からグルックとパラディグマの叩き合いとなり、この争いをエスビン・レケーホ騎乗のパラディグマがねじ伏せてペルー3冠を達成した。良馬場の勝ちタイムは2分35秒79。


 グルックはまたも3/4馬身差の2着に敗れた。3着には逃げたスーペルルリートが粘り、結局前に行った3頭での決着となった。


「パラディグマが成し遂げたことに感動している。高い能力を示してくれた。最後は厳しい勝負になったが、馬には伸びる余力があった。この馬に関わる全員に感謝したい。本当に幸せである」と、鞍上のレケーホ騎手は述べた。これが初めてのダービー勝利である。



 パラディグマは父パワーワールド、母フェリシダー、その父フランダーズフィールズという血統の3歳牡馬。2019年8月15日にペルーのサン・パブロ牧場で産まれた。


 2022年6月19日にデビューし、2戦目で初勝利をあげた。1勝馬ながら挑んだGⅠポージャ・デ・ポトリージョスを5 1/4馬身差で快勝すると、前走のGⅠリカルド・オルティス・デ・セバージョスも勝利してペルー2冠馬となった。距離延長を克服し、見事にペルー・ダービー馬に、そしてペルー3冠馬に輝いた。通算成績は6戦4勝(重賞3勝)。


 ペルー4冠競走のうち3つを制して3冠馬となったのは以下の22頭である(※牝馬GⅠであるポージャ・デ・ポトランカスとエンリケ・アジューロ・パルドを含む)。

  • Monona(1944/45)

  • Premier(1947/48)

  • Imperio(1948/49)

  • Insuperable(1949/50)

  • Llanero(1950/51)

  • Río Pallanga(1955/56)

  • Perigord(1957/58)

  • Pamplona(1959/60)

  • Daré(1962/63)

  • Trastévere(1968/69)

  • Tenaz(1972)

  • Santorín(1973)

  • Acropolitana(1974)

  • Vaduz(1979)

  • Tattoo(1982)

  • Mari July(1990)

  • Stash(1992)

  • Grozny(1998)

  • Batuka(1999)

  • Muller(2006)

  • Súper Nao(2021)

  • Paradigma(2022)


 パラディグマを管理するフアン・スアレス・ビジャロエル調教師は9度目のダービー制覇となった。これはアンブロージオ・マルナッティ調教師と、父親であるフアン・スアレス・スアレス調教師と並んで調教師のダービー最多勝記録である。現役調教師としては、ホルヘ・サラス調教師の5勝を大きく超えて単独首位である。


 ペルー4冠競走の最終戦GⅠアウグスト・B・レギーアは12月18日に行なわれる予定である。これまでの3戦はダートだったが、最終戦だけ芝となる。昨年のスーペルナオは疲労と馬場を理由にアウグスト・B・レギーアには出走しなかった。パラディグマがどうするのか陣営からの発表はまだないが、出走して勝利すれば1992年のスタッシュ以来の4冠となる。




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木下 昂也(Koya Kinoshita)

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